これが私の生きる道

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読んでみてください!!

「1Q84」 BOOK1〈4月ー6月〉

2009年12月07日 18時01分24秒 | 読書
7月に図書館に予約していた「1Q84」をやっと借りれて読みました。
500ページ以上あって初めは貸し出し期限までに読めるか不安でしたが
案外余裕で読みきりました。
というのも前作の「海辺のカフカ」があまり面白くなくて
先のこの本を読んだ会社の人もよく分からないと言っていたこともあり
ちょっと覚悟していました。
小説ってその世界に入るまでに音楽に聴くのに比べて時間がかかるもので
そこまでは辛いんですが、
一回入り込めばそれが継続しやすいので
集中している時は時間を超越できたりします。
これだけ分厚い本を読み終わると自信がつきます、
「僕でもできた」的な感覚です。

で感想ですが、面白かったです、というより
興味深かったという方が近いかもしれません。
物語自体も割に自分が好きな内容だったのですが
合間合間に哲学めいたことが散りばめてあって
それがいいアクセントになっています。
かといってそれを自分の人生に照らし合わせて
どうこうするというものではないんですけど。

登場人物で好きな人物は不思議なほどいないんですけど
あえて挙げるとすると「青豆」です。
こういうストイックな人って好きです。
小学校時代にいじめに遭ったときに助けてくれた「天吾」を
一生に一度と決めて逢える日を待っている、とか
かなり好きなエピソードです。
でもそれなのに月に一度は男を「漁りに行く」というところが
よく分かりません。
身体は許しても心は許さない、ということかもしれませんがどうなんでしょうね。

援交とかで数万円で寝る子たちっていますよね、
彼女達にすれば大金かもしれませんけど
社会人になってしまえばそこまで切実な金額ではありません。
そんなお金で身体を許すのは絶対彼女達の方が損していると思うんです。
それこそ何十万出させる価値(価値というのも語弊がありますが)はあって
それを易々と好みでもない男に提供するのは
男目線からするとやっぱり理解しがたいです。

「青豆」はお金目当てでそういうことをしているわけではなく
性欲の処理として行なっているみたいですが
やっぱり理解しがたいかなぁ。
実在する人物でないんでそんな考え込むことではないですが。

それともう一つ気に入らなかったのが
中心人物が揃いも揃って美人揃いってとこです。
「青豆」も「ふかえり」もルックスがいい設定にする必然性が
ないわけではないですが、「あぁ~また、そうか」と失望しました。
男性作家に多いのですが女性キャラクターのルックスをよくしたがる傾向が
最近とみに多いような気がします。
それは読者のこちらで想像するので余計なお世話です。

それにしても露骨な性描写が多くてびっくりしました。
この人の作品は「海辺のカフカ」しか読んでいませんが
イメージで性に関することはご法度のような気がしてました。
それこそ赤ちゃんはコウノトリが運んでくるのよみたいな。
そういうところは宮崎アニメに近いものがあると思ってました。
その宮崎アニメとの共通点といえば
こんなベストセラー、観客動員になるほど
万人に受ける内容ではないということです。

作品の質とは別に、両者共、誰がみても面白い作品とは到底思えません。
読みにくいわけではないですが、根本的なストーリー性や性描写など
PTAのうるさがたなんかは
子供に読ませてはいけない本に指定してもおかしくありません。
思うに、日本人って「本格的な感じがするもの」に弱いですよね。
本格的すぎて全く分からないのは嫌で
全部は理解できないんだけど何かそういう感触あるものに触れて
「○○はいいよね」ってセンス良くみせたいというか。
宇多田ヒカルのファーストアルバムが売れた時も同様ですが
その波に乗れたものは一極集中で売れますよね。

こうなると気になるのは後編であるBOOK2ですが
現時点で自分の前に予約が144件入っていて
読めるのは来年の春頃になりそうです。
その頃にはほとんど内容も忘れてしまっているでしょう。
かといって買う気にはなれない、困ったもんです。

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