夢発電所

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創作・詩

2007-01-04 08:29:23 | 創作(etude)
 「餅つき」

 知ってるかい
 ぼく達夫婦は毎年
 暮れの家庭行事として
 餅つきをする慣わしになっている
 ぼくもね頭巾とエプロンをつけるんだ

 どっちが言い出したわけじゃないけど
 我が家には杵と臼があったし
 昔から餅つきを見てきた
 だから餅が機械でできるなんて
 思ったことがない

 餅つきはね
 前の日までに準備してね
 ぼくは朝からスタンバイさ
 杵と臼をお湯で洗ってさ
 いつでも餅をつけるようにね

 餅米はね
 釜で蒸かすんだけど
 出来たよって合図で
 それを臼に入れるんだ
 熱い湯気が立ち上がるんだよ

 初めはね
 杵で米を丁寧につぶすんだよ
 米が熱いうちじゃないと駄目さ
 それがコツなんだ
 しっかりつぶさないとね

 次にやるのはね
 カミさんの参加でね
 相取りという餅を管理する役だね
 これが下手だとうまく行かない
 リズムが大事なんだな

 ぼくが杵でね
 臼の中の餅を目掛けて
 振り下ろすだろ
 すると相取りのカミさんがね
 素早く餅を反(かえ)すんだ

 交互にね
 息を合わせてやるんだよ
 よいしょって杵を打てばね
 ハイって相取りが餅を反すんだよ
 あうんの呼吸だよね

 このリズム
 このなんとも言えない
 気持ちよいリズムでね
 餅がつきあがるとね
 その餅は輝いてるんだ

 相取りはね
 この臼の中の餅をね
 丸くまとめてね
 ぼくの構える粉の皿に入れるのさ
 それをぼくが運ぶわけ

 つきあがった餅はね
 片栗粉でまぶしてね
 鏡餅に丸めてお供えさ
 二段の餅の上にはね
 松葉を乗せるんだ

 これは神様ご先祖様とね
 妹の家にもあげるからね
 余分に作っておくんだよ
 こっちじゃみかんを乗せてもいるけどね
 近頃リンゴなんて人もいる
 
 それから後の餅はね
 食べる分にまとめてね
 箱に平に伸ばして置くのさ
 冷めれば四角に切って
 明日からの楽しみなのさ 

 つきあがって直ぐの餅
 なんとも歯ごたえのある
 かんでいると甘味もある
 おいしいってこういうこと
 そう思えるような餅なんだよ

 きみはお雑煮とお汁粉
 ぼくは安倍川餅と納豆餅 
 いやいやくるみ餅もいいな
 それに醤油にバターと海苔もいい
 明日は力そばなんてね

 昔はね餅をつけば
 兄弟で競争だった
 ぼくは何個食べたってね
 そうそうおばあちゃんのお汁粉は
 手の込んだ皮のつかない汁粉だったよね
 
 
 

 
 
 
 

 

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