夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

記憶

2012-12-23 09:16:02 | つれづれなるままに
 人間の記憶領域には海底数百メートルの深海に、自分の不都合な出来事の記憶を沈めて置くゴミ捨て場のような場所があるのだろうか。ある日何かの振動でそれが浮き上がってくることがあって、その当時の自分にタイムスリップすることがあることに気づいた。

 40数年前の出来事がある日全体像として、ぶわーっと海面という自分の意識にわきあがること。そんな出来事が帰郷して友人と飲んで話しているうちに、現実のものとなった。

 高校時代の出来事だった。
 今は付き合いもなくなった異性友達Sの家に、旧友と遊びに出かけてその一つの出来事が起きた。まだ雪も降らないNスキー場で、その異性友達の仲間たちが未成年のくせに酒を飲んで意識不明になったという。なんとか助けて欲しいというその場所にいた女生徒が息を切らせて駆け込んだのである。
 私と友人で救出に出かけた。雪のないスキー場にはもちろん誰も出入りしない無人の場所である。夕暮れであったのか懐中電灯を携行して探した。そして急斜面の踊り場のような場所に、その泥酔して正体のない男友達が倒れていた。声をかけても返事がないほどで、それもかなり酔ったのか反吐を吐いて汚れていた。いやそればかりか便失禁していて、その臭さに私と友人は思わず腰が引けた。結局そのままにしておけないので、私が背負うことになった。スキー場からSの家までは斜面を延々40分ほどの距離もあって、途中で何度か腰を下ろさなければならなかった。
 そうしてようやくSの家にたどり着き、その意識不明な同年代の男の家に連絡をして引き取ってもらったようだ。
 私と友人は体中が痛いばかりか、便の匂いや反吐の汚れで身体が臭ってどうしようもなく、結局その日は早々に帰宅したのだった。
 
 

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