夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

出会いの旅はお別れの旅

2012-05-23 06:11:59 | 私と福祉とであいの旅
 今年も芝桜が家々に、色違いの絨毯のように広がって咲いている。

我家の花壇には牡丹の花が蕾をふくらませはじめ、ライラックの花も咲き始めた。津軽はもう初夏のような温度の日もある。


 農家はと言えば、水田に水が入り始めていよいよ田植え準備が始まった。この時期の私の密かな楽しみは、岩木山を逆さに見ることのできる水田である。岩木山を二倍に愉しむ法といえるのかもしれない。
リンゴ農家はりんご畑に一面の白いリンゴの花が咲き、人工授粉や摘花に忙しそうだ。

 長く厳しい冬だった…。でも今はもう厳寒の厳しさすら忘れさせようとする、この百花繚乱の花々である。

 そんな希望と喜びに満ち満ちている快晴の19日の朝、訃報の電話が入った。前日の夜10時にあの笑顔の可愛いかったAさん(22歳)が急逝したというのだ。

 3月の中旬ごろから急に食が細くなり、水も食事も拒否するようになった。主治医の先生が学会で不在だったという最後の受診も彼女にとって不幸の一つかもしれない。
 母親の力だけではもうどうしようもないくらいに、追い込まれていたに違いない。スポイトに栄養剤を詰めて何度も何度も嫌がる彼女に注入したお母さん。それでもその最後に夜になった。入浴を済ませて突然お別れが来たという。

 福祉的な仕事に関して言えば、私達に手足もでないことが多いが、今回は私達にできたことが他になかったのだろうか・・・。
 ずっと思い続けると、こうしてブログも不遜な気持ちにすらなってくる。
 Aさんは戻らない。Aさんの哀しみをつぎのAさんに繋げないためにも、もっと柔軟な最期まで諦めない支援が必要だったのではないかと悔やまれる。彼女への支援だけでは足りない何か。お母さんをはじめとする家族支援のあり方かもしれない。