夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

「ひとり歩む」  ラビンドラナート・タゴール

2010-01-22 16:53:32 | こころに残る言葉
    
   ひとり歩む        ラビンドラナート・タゴール




   君の呼び掛けに、誰もこたえないならば

   君よ、我が道を一人往け

   皆が恐れを抱いて沈黙するならば

   君よ、開いた心と恐れなき声をもって ただ真実のみを語れ



   暗い嵐の夜に、だれも松明に火をつける者がなく

   扉をたたく君に、誰一人として応じるものがいなくとも

   君よ、失望してはならない

   雷(いかづち)が激しくとどろくなかで、我が心の松明に火をつけ

   一人、暗闇のなかで火を燃やせ



しょうがい者の親の思い

2010-01-22 07:20:13 | つれづれなるままに
 様々な経緯で現在の状況があるのだが、その一つ一つに共通するのは、親の子を思う気持ちである。夫婦が愛し合って、子が生まれる。そしてその子どもが五体満足であっても、その生育過程において様々な外因や内因によって生活しょうがいを負うことがある。早かろうと遅かろうと、豊かであろうと貧しかろうと容赦ない現実である。その現実をその当人もしくは周囲の関係者がどのように受け止めて、どのように以後生きようとしたのかが問われなければならないのだ。
 私の娘はこの6月に長女が33歳、次女が2月で31歳になる。しょうがいの程度は極めて重いが、彼女たちは日々自らの楽しみを持っている。それは音楽体験や楽器演奏、絵本を見ることであり、おいしい食事をすることであり、行きたい場所に不自由ながらも努力して到達する術を身につけてきた。なによりも健康で、そして明るく生きている。親としてこれ以上の幸福感はないと今更ながら思っている。
 その幸福感はもう一方の大切な要因で成り立っている。それは彼女たちの本来のニーズに合わせたサポート機能である。生活全般に渡って全部ケアを受けなければ、彼女たちの基本的な生活はありえない。その時々を、どのような視点でQ・O・L(生命の質・生活の質・人生の質)を保持し、高めていくのかが、まさに分かれ目である。
 今私の家庭で暮らす娘たちは、個別の嗜好に合わせた食事提供や排泄特徴にあったトイレケアや、毎日の就寝前に入浴することで、その日々が快適性を伴って回転している。夜中に長女は寝返りを打てずにいるので、その体位変換が必要となる。次女は寝具から何度も抜け出たり、寝具を蹴飛ばして寝ていることがあるので、掛けなおしてあげたり、布団に入れなおしてやらないとたちまち風邪を引き肺炎を起こしてしまうだろう。そういう手のかかる娘たちが、基本的なニーズとケアをベースにしながら、それが達成保障されて初めて、楽しみに手が届くのである。
 この4月から娘たち二人が入居するケアホーム「SEEDS」は6人の入居となり、そして生活支援員が常時そばにいるほか、個別に契約したヘルパー(わが法人の居宅介護事業)が来て身体ケアにあたり、世話人が食事・洗濯・清掃・入浴などの世話をしてくれる。しかし、このケアホームがより良い方向で運営されるかどうかは、生活そのものの基本的理念がどこに置かれているかが、最も大切なポイントなのである。どんなに生活環境(ハード面)が快適性を保っていても、結局その入居者が中心に置かれているのかどうかが問われているのである。スタッフの都合で物事が決められ、スタッフの都合で物事が進められていくのでは、これまでの入所施設となんら変わらない存在に成り下がるのだ。あれをしたら駄目これをしたら駄目というグループホームがやたら目に付く。
 親として望むことは、今家庭生活で保障されている状態像をきちんとスタッフが心にとどめ、一人ひとりの幸せ像を肝にとどめてほしいのである。その状態像の保障と、それを更に向上させることこそが、これから目指すケアホームなのではないだろうか。
 親は子よりも後に死ねるわけではないのだから・・・。

ケアホーム融資決定

2010-01-22 07:07:01 | つれづれなるままに
 M銀行にケアホームのリフォーム資金を融資依頼していたが、一昨日にようやくOKの連絡が来た。今回の融資枠は700万円である。M銀行はこの前のパン工房にする店の購入資金として、16,000,000円を融資してくれた銀行だ。私も初めてのことだが、社会福祉法人としての担保物件は何もなく、あるものは法人の基本的運営理念とこれまでの実績しかない。
 そういう申し出に対して、私たちの夢を買ってくれたのだ。日本財団助成金が今回は540万円、残りの400万円を法人が拠出してケアホームが出来上がるのだ。そして勿論この融資への償還金を、これから10年間毎月支払っていかなければならないのである。
 大規模入所施設は作らないと、宣言して来たわが法人である。そして地域で暮らすを目標にして来た。ノーマライゼーション社会を構築するための事業展開を常に念頭に事業を運営して来た。そういう意味で、ようやく私たちの基本的理念が具体的に実現しようとして来ている。
 「見えないと思うことはない」というデンマークのことわざを、いつまでも私は原点におきたい。