広島市出身の被爆2世で両耳が聞こえない作曲家として知られる佐村河内守(さむらごうち・まもる)さん(50)の楽曲を特定の別の人物が作っていた問題で、「佐村河内さんのゴーストライターを18年間やっていた」と名乗り出た桐朋学園大非常勤講師の新垣隆(にいがき・たかし)さん(43)が6日、東京都内で記者会見した。「影武者」を告白した新垣氏の口から語られた「真相」とは-。
〈会見は午後2時半に始まった。報道陣から激しいカメラのフラッシュがたかれるなか、新垣氏はグレーのスーツ姿で登場した。6日発売の「週刊文春」に記事を発表したノンフィクション作家の神山典士氏らも同席。主催者が冒頭、会見に至るまでの経緯を説明した後、新垣氏が準備してきたコメントを読み上げた〉
新垣氏「私は、佐村河内守さんと出会ったときから18年にわたり、彼の代わりに曲を書き続けてきました。佐村河内さんが世間を欺いて曲を発表していると知りながら、指示されるまま曲を作り続けた私は、佐村河内さんの共犯者です。障害をお持ちの方々、また、彼の言葉を信じて曲を聴いてくださった多くの方々、見事な演奏をしてくださった演奏家の皆様、本当に申し訳ございませんでした。
当初は軽い気持ちで曲を書くことを引き受けていました。彼を通じて私の曲が世の中に受け入れられたことが、うれしかったことは否めません。しかし、彼が世間に知られるにつれ、この関係が世の中に明らかになってしまうのではないか、と不安を抱くようになりました。そしてこれ以上、自分の好きな音楽で世間を欺きたくないという気持ちが、私の中で大きくなってきました。