TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

キャリア(職業)教育に思う

2007-10-08 18:25:23 | 経営全般
 フリーター、ニートが問題になっている今、キャリア教育について思うことを書きます。

 数年前、村上龍の「13歳のハローワーク」という本が売れました。私の家にもあります。この本が売れたのは、フリーターやニートといわれる若者が急増している時代背景があったと思われます。将来に夢が持てなく、働く意欲を持てない若者が増えています。ニートと呼ばれる若者は推計で全国に62万人いるといわれています。群馬県の人口が200万人ですから、県の人口の3分の2がニートということになります。

 その対策として、教育界では、生徒のトータルな人生を考えさせる「キャリア教育」が広がっているようです。私の市でも、中学2年生の5日間の職場体験というカリュキュラムがあります。主に大学生を対象にしたインターンシップ制も年々普及してきており、学生を受け入れている企業を私も数社知っいます。学生のうちから「仕事」というものを少しでも経験させ意識させることで、仕事とは、働くことはどうゆうことか認識させる教育が実施されているのです。豊洲に昨年10月にオープンした「キッザニア東京」は約1年間に80万人が訪れているようです。再来年3月には「キッザニア関西」が出店するようです。このこともキャリア教育の潮流に乗った事業展開と思われます。

 私は、数年前4年半の期間、県立専門校で学生に簿記、会計を教えていました。3年間は主に高校卒業生を対象(高校職業コース・1年制)に、1年半は再就職者を対象(再就職コース・6ヶ月制)に教えていました。教えるだけでなく、学生の就職指導もしていました。その時感じたことは、学生自身が己をわかっていないということでした。(そうゆう私自身が学生と同じ年齢のころ己をわかっていたか、今でさえ己をわかっているかと言われれば反論できない部分もありますが。)
 私が教えていたのは事務職への就職希望の学生が集まるコースだったのですが、事務職はどの企業も縮小しており、よほどの潜在能力と専門的能力(たとえば日商簿記1級合格)がなければ希望どうりの就職などできないものでした。平成13、4年の一番景気が悪く、求人募集のなかった時期かもしれませんでしたが、学生の就職にはたいへん苦労しました。

 そんな状況の中で、就職に関することで私がこれは絶対に確かなことだということがありました。新聞で読んだ就職指導の記事です。「正社員になるということはどんな小さな企業でもアルバイトをやっているより数十倍得られることがある。職場の人間関係、任された仕事のへ責任、期日を守るということの意味など正社員でなければ得られないことが会社には満ち溢れている。自分の適性はなにかといつまでも躊躇していては決して得られないことが小さい企業でも就職することで得られることを考えてもらいたい。」という内容でした。私は就職指導の時間には学生に対してこの記事をよく読んでいました。

 自分の適性はなかなかわかるものではありません。試行錯誤しながら、自分を確立していくものではないでしょうか。キャリア教育は自分の職業的適性を把握したり、職業意識を醸成するに必要なことだと思います。あと必要なのは、自分の適性にあっていないと思っても一歩踏み出してみる勇気ではないでしょうか。
 一歩踏み出すにしても企業側が職業的キャリアがないので受け入れてくれない、年齢で一律に採用しない等の問題は企業側の問題といえます。それについてはまた、企業の人材育成戦略ということで書きたいと思います。

 
 

 
  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿