日経ビジネスの「有訓無訓」という連載記事に、熊本県立工業高等学校の取り組みが掲載されています。
以下引用です。 ・熊本県立熊本工業高等学校は、2009年度のジュニアマイスター顕彰認定者数が230人になり、日本一になりました。 ・目的意識を持って課題に取り組んできた生徒たちと、それに応えるカリュキュラム作りと指導に心を砕いた先生方の熱意のたまものです。 ・ジュニアマイスター顕彰制度は、仕事や学業に必要な国家試験や検定の取得に対して点数を与え、その合計が一定の水準を超えた生徒に称号を与えたものです。 ・工業高校はモノ作りの実技は教えても、その力は客観的に示す方法があまりなかった。従来はスポーツなどの部活動で、「ヒト作り」のモチベーションを高めていた程度でした。そこで生徒の能力を示す指標を具象化したのがジュニアマイスタだったのです。
・新製品の開発にしても、大卒レベルの設計者、研究者ばかりではでません。プロジェクトには現場を熟知し工程管理などがきちんとできる技術者が必要なのです。 ・かつて製造現場は3K(きつい、汚い、危険)職場などと言われ、ホワイトカラーが格好良いと言われる風潮がありました。でも、油まみれの泥臭い職場は我々の勲章だと思っていますし、工業立国ニッポンの競争力の中心であることに変わりはありません。
・最近、注目しているのは、就職して中堅クラスになった卒業生たちが、海外に出始めていることです。就労ビザの関係などで、英文の卒業証明書を取りに来る卒業生が増えてきました。日本の技術、技能レベルの高さを世界に知ってもらう良い機会ですし、振興国の技術水準の引き上げにも貢献できる。 ・工業高校のカリュキュラムも、世界で求められる知識やニーズに応えられるよう、英語を強化するなど変更を加えています。新しいものにどんどん挑戦する。そんな人材が育つことを期待しています。
工業高校は、高度成長時代を下支えした人材を輩出した場でした。その後、大学進学率が高まり、高学歴化社会になり、工業高校は、人材輩出という意味では地盤沈下していまいました。
このような状況下で、「工業高校の復権」が叫ばれたのは、日本の製造現場を下支えした人材の復権にほかなりませんでした。成熟した日本では、製造にしろ、ほかの職場にしろ、現場をないがしろにする風潮が蔓延しているのではないでしょうか。
現場をもっともっと大切にして、その視点からの見方を生かししていく社会になる(戻る)ことが必要なのではないでしょうか。
下の写真は、今日の赤城山です。きょうはきれいな山並みが見えました。
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