今週号の日経ビジネスに、経済学者ら5人による誌上対談が掲載されています。5人は、中谷巌三菱UFJリサーチコンサルティング理事長、中村末廣崇城大学副学長(元ソニー副社長)、水野博之広島県産業科学研究所所長(元松下電器産業副社長)、名屋佑一郎メイコー代表取締役社長、高橋実TDK取締役常務執行役員です。
以下各氏の印象的な言葉を引用してみます。
水野:米国人は日本メーカーを脅威と感じていない。日本人はコンセプトを与えないと何も作りだせないからだ。日本人もコンセプトを作れるようにならない限り、製造業の真の復権はない。
中村:日本人の特性は「磨き文化」である。日本人はオリジナル・アイデアをつくりだすのは苦手だが、製品を磨き上げることには長けている。1980年代には、日本の磨き文化は世界を圧倒した。1990年代に入っても、日本人はビジネスの構想力がないまま、与えられたものに対して徹底的に磨きをかけ続けた。その中で参入障壁の低い事業領域に、韓国、台湾、中国企業がどんどん入ってきた。日本の製造業がいままで通りのビジネスを展開していては、これからの10年間、事業を続けることはできないだろう。
名屋:日本はこの国の製造業をどうしていくかというグランド・デザインを、国を挙げて真剣に考えていかなければならない。
高橋:部品メーカーと機器メーカーが、それぞれ強いところは伸ばし、弱いところを補い合うことによって、世界にない付加価値の高い製品をつくるべきだ。ものづくりが好きという若者が少ないのは気がかりだ。自分の手を動かししてつくることに興味を感じない。小さいうちから教育していく必要がある。
中谷:派遣切りの問題が顕在化し、製造現場が分断され始めた。求心力がなくなってきた。組織を欧米流に階層化してしまうと力が弱くなる。製造現場のものづくりの大切さを忘れるべきでない。
中村:欧米心はチャレンジするところに「安心」を感じるのに対し、日本人は「安心」があるとチャレンジする。ところが10年ほど前から日本企業は米国流の評価制度を導入した結果、従業員に安心を与えることを忘れてしまった。それが日本人の土台を揺るがしている。
日本人はオリジナル・アイデアを作りだすのが弱い。今のままでは今後10年の製造業の将来は暗い。ましてや欧米流の階層化した製造現場ではもっと悲惨な状況になってしまう。ものづくりが好きな若者を一人でも多く生み出す教育が必要、そしてオリジナル・アイデアを育む教育、そして「安心」して働ける組織風土が必要というのが誌上対談の私なりの要約です。
以下各氏の印象的な言葉を引用してみます。
水野:米国人は日本メーカーを脅威と感じていない。日本人はコンセプトを与えないと何も作りだせないからだ。日本人もコンセプトを作れるようにならない限り、製造業の真の復権はない。
中村:日本人の特性は「磨き文化」である。日本人はオリジナル・アイデアをつくりだすのは苦手だが、製品を磨き上げることには長けている。1980年代には、日本の磨き文化は世界を圧倒した。1990年代に入っても、日本人はビジネスの構想力がないまま、与えられたものに対して徹底的に磨きをかけ続けた。その中で参入障壁の低い事業領域に、韓国、台湾、中国企業がどんどん入ってきた。日本の製造業がいままで通りのビジネスを展開していては、これからの10年間、事業を続けることはできないだろう。
名屋:日本はこの国の製造業をどうしていくかというグランド・デザインを、国を挙げて真剣に考えていかなければならない。
高橋:部品メーカーと機器メーカーが、それぞれ強いところは伸ばし、弱いところを補い合うことによって、世界にない付加価値の高い製品をつくるべきだ。ものづくりが好きという若者が少ないのは気がかりだ。自分の手を動かししてつくることに興味を感じない。小さいうちから教育していく必要がある。
中谷:派遣切りの問題が顕在化し、製造現場が分断され始めた。求心力がなくなってきた。組織を欧米流に階層化してしまうと力が弱くなる。製造現場のものづくりの大切さを忘れるべきでない。
中村:欧米心はチャレンジするところに「安心」を感じるのに対し、日本人は「安心」があるとチャレンジする。ところが10年ほど前から日本企業は米国流の評価制度を導入した結果、従業員に安心を与えることを忘れてしまった。それが日本人の土台を揺るがしている。
日本人はオリジナル・アイデアを作りだすのが弱い。今のままでは今後10年の製造業の将来は暗い。ましてや欧米流の階層化した製造現場ではもっと悲惨な状況になってしまう。ものづくりが好きな若者を一人でも多く生み出す教育が必要、そしてオリジナル・アイデアを育む教育、そして「安心」して働ける組織風土が必要というのが誌上対談の私なりの要約です。
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