すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

「なつかしき愛の歌」(続)

2018-03-07 13:13:26 | 音楽の楽しみー歌
 「なつかしき愛の歌」の原題は、Love’s Old Sweet Song です。
 愛の歌、というとぼくたちは Song of love 、すなわち、恋する気持ちを誰かが誰かに向かって歌ったもの、というふうに思ってしまいますが、この歌の場合は違います。歌うのは人間ではなく、愛自身です。愛は人格ではないから歌なんか歌わない、ということなら、人間の心のなかの愛の思いが、自然に歌という形で流れ出たもの、と思ってもいいでしょう。
 この違いはかなり大事なものと思います。世の中には Song of love が溢れすぎているように思うから。
 だからこの歌には、なつかしき、といういささか古風な訳語がしっくりきます。
(シャンソンに「懐かしき恋人の歌」というのがありますが、あちらは、なぜ、懐かしい、ではないのか、そもそもなぜ、あの男と女の葛藤の関係が、懐かしい、という言葉で表現されるのか理解に苦しみます。あちらの原題は、La chanson des vieux amants つまり、長年来の恋人同士の歌、です。)
 ここで、「なつかしき愛の歌」の原詩(全部書くのはしんどいから、前半のみ)と、通常日本で歌われている近藤玲二訳の歌詞を引用しておきます。これも良い詞です。

Once in the dear dead days beyond recall,
When on the world the mists began to fall,
Out of the dreams that rose in happy throng,
Low to our hearts love sang an old sweet song.
And in the dusk where fell the fire-light gleam,
Softly it wove itself into our dream.

Just a song at twilight,
When the lights are low,
And the flick’ring shadows,
Softly come and go,
Tho’the heart be weary,
Sad the day and long,
Still to us at twilight comes love’s old song,
Comes love’s old sweet song.

たそがれのともしびは
いとしくもほのぼのと
薄れゆく思い出に
愛の光をともす
憧れの輝きを
過ぎしあの日のままに

今宵もまた若き日の
夢を秘めてたそがれは
麗しくもなつかしき
愛の調べとなりて
帰りくる

たそがれの調べこそ
やさしくもはるばると
わが悩みつかれたる
この心をなぐさむ
とわに忘れじの
懐かしき愛の歌

(第2節繰り返し)
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