今は亡きロビン・ウィリアムズがジョン・キーティングという国語教師を演じている『いまを生きる』という映画を見た。
授業で詩に対して形式的な説明がつづく教科書に対し、ジョン・キーティングは生徒に、その教科書を破るように指示を出す有名な場面がある。
今の日本の教育現場では「教科書を教えるのではなく、教科書で教えるのだから、教科書の内容に不足があったら事前に準備しておくのが当然であろう」といわれ、教科書を破らせる行為に対して非難が集中することだろう。破る行為の是非はともかくジョン・キーティングはその時「私たちが詩を読み書くのは、人類の一員だからだ」と生徒たちに丁寧に説明している。この台詞は、数年前の某コンピュータの宣伝で放送されたこともあるので、ご存知の方も多いかも知れない。架空の人物ながら詩を読み書く理由を「人類の一員だから」と言い切ってしまうジョン・キーティングのすさまじさと『いまを生きる』の制作スタッフの感性に深い感銘を受けた。「人類の一員だから」という言葉は、まさにこのように使うものなのだとも思った。
最近、誰かが「国際社会の一員としての貢献」と演説で使っているが、それはどうも違うような気がする。
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