東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

政治による教育への介入が危惧される

2014年06月17日 | インポート
安倍政権は「子どもの権利」としての教育ではなく、「国家」の意思としての教育を前面に押し出そうとしています。

「高校授業料無償化制度」の廃止、教科書検定基準の改定、学力テストの結果公表、道徳の教科化など、新自由主義教育政策と愛国心教育の徹底に向けて国家主義的統制を一層すすめようとしています。

Dsc_1994先日、教育委員会制度を見直し、自治体の長(首長)の権限を強化する改正地方教育行政法が国会で成立し、来年4月1日に施行されることとなりました。

教育委員会制度は、教育が政治に左右された戦前の反省から、政治権力が直接関与できないようつくられたものです。首長の関与を強めた改正法は、約60年続いた制度の大転換です。

改正法では、教育委員長と教育長の権限を兼ね備えた新「教育長」を置き、首長が直接任命・罷免することになります。「総合教育会議」を新設し、首長と教育委員会が協議し、教育行政の指針となる「大綱」を策定します。

文部科学省によれば、大綱に「教育委員会が同意していない事項が記載されることもあり得る」としています。その場合、教育委員会が従う義務はありませんが、罷免も出来るとする力関係からいえば、とても対等とは言いがたく、首長が「暴走」した場合の歯止めがありません。教育に政治が持ち込まれる危惧はかなり大きくなったと言わざるを得ないでしょう。