日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ
KIHAKU's blog



お盆休み直前。
旅行を計画している方達はもう仕事など手に付かないだろう。

ツツイにとっての夏の旅行で思い出深いのは10年ほど前か、大学4年の夏休み。
もともとアトリエ系の設計事務所希望だったので、周囲が就職活動に励む中、高校時代の友人を誘ってはじめてヨーロッパに行くことに。
(アトリエ系の設計事務所の就職活動?は年末くらいからその事務所にバイトで潜り込み、そのまま就職させてもらうケースが多かった)
ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ニース、バルセロナ、マドリードといったコートダジュールを巡る旅行。
友人の目的は絵画、ツツイは当然建築、そして二人の共通の目的はニースのヌーディストビーチ

当然、学生の身分なのでお金があるわけでもなく、格安航空チケットでローマ行きとマドリードから成田のチケットだけ購入し、出発。
この時の航空会社が格安チケットでおなじみのアエロフロート航空

当時(今はどうなんでしょう?)、いろいろと悪い噂は聞こえていたのだが、学生身分で贅沢は言えない。成田に行き、機体を見るとそこにはアエロフロート航空柄の綺麗なエアバスが。

(アエロフロートもエアバス使ってるのかぁ、大丈夫そうだな)

と、思った矢先、機体の点検が長引き2時間遅れるとの放送。

(まぁ、時間にルーズな感じだけど安いし。。。)

機内に入ると、いや、これがなかなか良い感じ。

「普通じゃん、よかったー」
と友人と共に指定されたシートに座り、まずはモスクワへ。

大してサービスも期待していなかったのだが、意外と普通に良いサービス。
食事も食べられる!

そしてモスクワ到着。
我々は短パンTシャツといった姿で、乗り換えの2時間をモスクワ空港内で過ごすことになったのだが、いやはや真夏といえど、モスクワは寒かった。

搭乗時間の少し前に搭乗口へ向かうと、そこはすでに長蛇の列
さらに機体を見ると、そこには見たことのない機体が。
おそらくロシアの飛行機だろう。

「シート、指定されてるのに、なんでみんな並んでいるんだ?」

などと話ながら機内に入るとそこにはすごい光景が!!

まず驚いたのは天井から酸素マスクが垂れ下がっている!!
しかも1つではなく、ところどころに複数!!
さらにシートは折り畳み式になっており、我々が乗り込んだときはまだ畳まれている状態。
そのシートを乗客が自分で直してシートに座るといった具合なのだ。

戸惑いながらもスチュワーデスにチケットを見せ、シートの指示を仰ぐと、この女性、両手を天に向けて広げ、クビを横に振るではないか!
ようは席順は早い者勝ちだったのである!

結局、我々が座ったのは機体の一番後ろの席。
当時はまだ国際線でも喫煙できたので、タバコの煙が一番溜まるエリアである。

友人が窓側、ツツイは通路側だったのだが、その窓の下の床と壁に隙間があり、そこから貨物室が覗ける始末。

そしていよいよテイクオフ。

ローマへの空路、順調に進んでいるかのように思えたその時、友人が不安そうに一言、

なぁ、あのエンジンから煙でてないか?

(んなわきゃーないだろ!)
と思いながらも窓を覗くと、確かに翼下に付けられたエンジンの1つから白煙があがっているように見える。

いや、雲かなんかでしょ

と、半ば願いを込めて答えていると、機内放送が。

かろうじて聞き取れた英語だったのだが、間違いはなかった。

エンジントラブルでモスクワに引き返すって

モスクワへのおそらく1時間ほどのフライト、友人と共にその白煙を出し続けるエンジンを言葉少なにじっと見つめ、無事、モスクワに帰還。

すでにモスクワは夜、寒さも一段と増しており、Tシャツ短パンの上にバスタオルを羽織りながら次のフライトを待つ。
もちろんその間、JALのような食事のサービスなどは一切ない。
空港内のお店もすでに閉まっており、閑散としている。

そしてようやく再出発。
無事、ローマに到着したのは深夜3時頃。
ヨーロッパの初日は空港内で「野宿」となった。

日本への帰路は、これまた遅れはあったものの、おそらく2,3時間程度。

この一件以来、アエロフロート航空には乗っていないが、なかなか貴重な体験はさせてもらった。

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