日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ
KIHAKU's blog



先日、akari庵の打合せのため、クライアントのご自宅に伺うと新たな家族が加わっていました。
二人目のお子さんが誕生されたのです。

これで今まで一人っ子だった子供もお兄ちゃんに。
ほんの少し大人っぽくなった気がしました。
(といってもまだ1歳ですが・・・)

建築はその場所に何十年と存在し続けます。
住宅ともなれば、その空間で日々の生活が営まれる訳です。
一人だった人がパートナーを見つけ二人となり、そこに新たな家族が加わり・・・
家族構成はその住宅が存在している期間でさまざまに変化します。

その家族構成の変化に耐えうる空間が住宅には必要です。
生活スタイルを雁字搦めに規制した住宅では、その家族構成の変化に耐えられないだろうと。
○LDKとうたわれている部屋が細切れになった建売り住宅で、果たしてそれが可能なのでしょうか?
時には住宅から全く別の用途に変化することだってあり得ます。

その空間の規制にとらわれることなく、クライアント自らが長い年月をかけて手を加えたくなるような住宅。
人と建築が共鳴し、お互いを向上させるような関係。
そんな家族の一員となりうるような住宅が理想の住宅だと思います。


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先週末はbalenaの施主打合せでした。
設備機器などの実物に触れていただくため、新宿のショールームでの打合せです。

balenaは敷地が新宿区。
施主も現在は敷地にまだお住まいです。

今回のようにショールームなどでの打合せの際、奥様は決まって自転車で颯爽とやってきます。
しかも水泳で一汗流した後などでも平然と。
「次回の打合せは赤坂で・・・」
などと言っても物怖じすることなく、平然と自転車で来ると言います。

とても健康的だ・・・。
これは真似するしか無い!と。

そろそろ涼しい日も垣間みれるようになってきたので、マンションの駐輪場から埃まみれになった愛車bianchiのattivo(写真)をひっぱりだし、吉祥寺界隈まで軽くサイクリング。
夜風が涼しく気持ちよかったです。

が・・・翌日、お尻が痛い。
すっかり運動をしなくなっていた身体には30分ほどのサイクリングでも辛かったようです。
健康管理も仕事の1つ。
これからは時間を見つけて自転車で街を散策しようかと。
そしていずれは新宿あたりへの打合せも自転車で。

さすがに模型を運ぶのは辛そうですが、エコの観点からも良い試みかと。

皆さんもいかがですか?
そろそろサイクリングが気持ち良い季節です。


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週末、井の頭線駅「駒場東大前」から徒歩10分ほどの駒場公園に散歩がてら出かけました。
目指したのは「旧前田伯爵邸」。
洋館と和館があります。

洋館の方は1929年に竣工し、チェダー様式の建築となっています。
現在は東京都有形文化財(建造物)として指定されています。
ちなみに入場は無料。

クライアントは旧加賀百万石前田家の16代目当主です。

じきに竣工後100年を迎えようとしている建築の空間には、時の重さが宿るように思います。
さまざまなドラマがその空間から誕生し、今に面影を残します。

日本の駒場という土地にチェダー様式の建築がある必然性があったかどうかは疑問ですし、使われ方、感動を生む空間としての魅力は残念ながらあまりなかったのですが、歴史とともに佇む建築にはゆっくりとした時間が流れているように感じました。

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週末は武蔵小杉Mリノベーションの現調兼打合せでした。
現調の際、ご主人が出したのは新聞紙とビニールテープ。
この新聞紙にはマジックで液晶テレビ40インチが描かれており、ご丁寧にテレビの脚まで描かれています。そしてビニールテープはところどころに継ぎ目があり、これはソファの実寸を測った物だと。

んー素晴らしい念の入れよう。

で、ここで聞いてみると、どうやらテレビは改装にあわせて新調するらしいです。そのため、なるべく大きなテレビが欲しいご主人は奥様へのプレゼン資料として上記一式を作られたそうな。。。さすがに欲しい物のためとなると労力を厭わない。
ちなみにご主人曰く、テレビを見る時のポイントは画面の対角線の3倍の距離を離れた場所から眺めるのが良いそうです。

皆様もご参考にしてみてください。
(プレゼン方法も)

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学生時代に最も影響を受けた建築家にトム・メイン氏率いるmorphosisがあります。
この夏の旅ではじめて彼らの数多くの作品に触れる事ができました。

学生時代に大枚をはたいて購入したmorphosisの作品集。毎日のように眺めていた日々。あれからもう10年以上経っているのですが、いまだに当時、大切にしていたこの本は眺める事があります。

実際に彼らの建築に触れた時の感動はひとしおだろう、と思い期待を膨らませて訪れました。たしかにそのコンセプトやディテールのセンスの良さなどは体感できたのですが、残念ながらそこには自分の想像の範疇にある空間のみで、感動をするほどの驚きはありませんでした。

その理由が何なのか?
あまりに思い入れが先行してしまい、期待が強すぎたのか?この10年で自分の中の何かが変化していたのか?
その理由がいまだにわかりませんが、今回の旅で感動した建築には時間軸を垣間みる事ができました。おそらくmorphosisの作品にはまだそれらが無かったのではないかと。

彼らの作品から感動が得られなかったのは残念なことなのですが、これをきっかけに自分が目指すべき空間が10年前に描いていた空間と異なってきていることを実感。知識や経験の他、自分の過ごしてきた10年間が目指すべき頂をまた少し高くし、創り出す空間に厚みが増してきたように思えました。

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