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トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

キジョランの救世主になるか…

2016-10-03 | 蝶の食草園
 採種できた自生種があると聞いているが実生育成のキジョランの定着率が芳しくない。猪の掘り起こしや蹴散らしで枯れ死した株もあるのだが半分は生育不良なのである。
 土壌との相性が良くないと薄々は感じていても核心部が把握できなかった。ところが、たまたま新聞のコラム欄を読んで「なるほど!」と思った次第。それによると「キジョランは石灰岩がないと大きく成長しない」とあり、アサギマダラの分布域とも重なり、それはまた大陸移動の痕跡でもあるとあった。
 動植物が特定の条件下で生息する事実は、若い頃たびたび訪れた蛇紋岩帯のウスユキソウ鑑賞で知っていたから、さっそく生育条件を整えようと一計を案じた。石灰岩を持ち込むわけにもいかないので、フイールドの河床に露出している牡蠣の化石層を掘り取り株元に客土したのだ。肥料としての化石石灰が安直かと思ったものの、フイールド由来の石灰質が優しいだろうと化石層にした。
 フイールドに残っていた2本に3リットルほど客土し、残りは庭の成長芳しくない一本とポット養成中の5本に振り分けた。
 まあ、今期に結果は判断できないだろうが、昨期に幼虫を越冬させた1本は開花していて、結実してくれれば「効果あり」と爺我自賛しよう。
  河床の露頭 ➡  客土A     客土開花株

 全くの余談になるがキジョランに興味を持った頃、高尾山に自生株が多いと知って一度くらいは綿毛種子の浮遊を見てみたいと思っていたものの果たせないままでいる。今回の記事で高尾山の地質を検索してみたら「小仏層」と言う海底堆積物由来の地質だった。もう大名納豆、では無くて大納得である。思わぬところに解が転がっているものだ。ランちゃん、気付けなくてごめんね…。
 ところでランランは既にいないが別のランちゃんはどうしているのだろう。ああ、少年老い易く額禿げ易し…。まあ、小生の思いは「鬼女」でなく「気丈ラン」であって欲しいだけだ。

雨が止んだら、お仕事なのよね…

2016-10-02 | 小人閑居して憮然
 連日の天候不順で蟄居状態、やれることと言えば木工工作くらいで、60mm程度のネジ2本が欲しくて霧雨の中、拠点作業小屋まで探しに行った。ホームセンターの方が近いのだけれど、たまには水見回りをしておきたい。
 道具小屋で必要なネジ2本が見つかり水見回りへと回ったのだが異変はすぐに判った。トンボ池の排水路に水が無い。泥水池も池3,4と湿地状態になっていた。連続的では無いものの降雨が度々あったから埋没したのかと吐水口を確認に行ったら、案の定一滴も出ていない。
 道具は車載されているし、何時もは徒歩で向かうのだけれど霧雨の中では有難くない。隣沢の車が入るところまで走らせた。取水部の状態は思っていたのと異なり埋没していず、取水升内の吸水口も埋まってなかったが、水は溜まっていたから途中で詰まっているだろう事くらいは推測できる。

 問題は取水路からの流出状態だった。水抜け部が浸食され拡大してしまう事は普通なのだが状況が普通でなかった。取水路の敷設丸太の下部に詰めた石が水流に逆らって上流部に移動している。そのうえ、河床の砂利を掻いた小山が流出部脇にある。水源地の復旧造作は小生が行ったから構造は記憶している。どう考えても水の浸食作用でもないし、猪の掘り返しでもなく、明らかに人為的な行為が見て取れた。もう一点は送水管の詰まりが納得できなかった。取水口に継ぎ手エルボを上向きに取り付け取水升内の堆積土砂の流入を遅らせる仕組みにしておいたのだが、砂泥との差は十分あったのに詰まっている。うがった見方をすれば土砂を入れた行為もありうるだろう。
 この取水升への水が断たれたことでオーバーフローも無くなり、これを頼りに寄生して取水していた部農会の取水部も干乾びている。

 少なくとも部農会は被害者で加害側でなく、この水流の変更で利益を受ける団体個人はいないのだから嫌がらせとしか思えなかった。まあ、これに限らず、植栽した苗木や鉢植えから定植した若木など盗掘する輩は普通に存在しているし動植物の保全に逆行する行為や活動は日常茶飯事みたいなものだから驚くにはあたらない。ともかく水路の補修をして取水枡への水流を復活させたものの、吸水口での陰圧は全く無いから断水復旧にはつながらなかった。
 雨が止んだらエンジンポンプとパイプレンチを運んで強制排砂作業が必要だ。この作業は松の内以来となるから、まあ、良く保ったというべきかな…。
  側方流出 ➡  悪意の痕跡 ➡ 取水流復活
 

葉っぱの上で残念

2016-10-02 | 小父のお隣さん
  アカメ葉上のクロメ

 先入種と言われるだけあって成長が早い。前回刈り払って一カ月余り、既に写真の姿になっている。その年々で王手をかけてくる種類が異なり、客観的に見れば面白いのだろうが、相手せざるをえない小生にとってはそれどころではない。
 今季、周辺はアカメガシワが繁茂した。年によりカラスザンショウだったりクサギやゴンズイだったりする。草本で猛威を振るっているのはアレチヌスビトハギだが、覆ってしまう蔓草はヤブカラシだったりノササゲだったりヤエムグラだったりと攻守交代している感がする。今季はノササゲが繁茂して刈り払いの邪魔な事、邪魔な事。まあ、早期に刈り払いを続けていればこんな事には成らないのだが、園地でないから「行き届いた手入れ」は逆行しかねないし、要はビジョンとバランス感覚なのだろう、と言いたいところだが、実態は持久力勝負である。
 
 さて、クロメと言うより隈取りしたアカメガシワ葉上のアマガエル、お湿りがある場所でもなく「餌と水分はどうするの?」と尋ねたところで返事は無い。お山の大将われ独りはお互い様か・・・。まあ、ヨレヨレであれ、なんであれ眼の黒いうちが花だ。それにしてもアマガエルの活動する姿は見た事が無い。私見だが「毎度、full寝ッす!」の提唱者?かも…。

               この成長ぶり     台地はもっと酷かった

原っぱ部の刈り払い

2016-10-01 | 今日は真面目に
 今季の刈り払いもあと少しで卒業できる。この原っぱ部も通算4回は刈り払いを実施したけれど草勢は衰える事を知らない。伸長した部分は膝上まであった。
 ここは低草地で維持し、春には在来種のタンポポ原っぱが出現するようになったものの、コナラやクヌギが大きくなって空間を開けてあっても衰退していく可能性がある。それでも冬季のロゼットのために刈り払いをしておく事で春の群生が楽しめるだろう。

 周辺に限らず在来種の群生などを楽しめるエリヤは少なくなっているから、小生的には貴重な箱庭だ。周年のサイクルを重ね続けて言える事は、里山の原風景なぞ生活と密接につながっていなければ、とても消化できない作業量なのである。
 ここで気づいた事、「原風景」を「はら風景」と読む人もいるのだろう。題が題だけに…。それでも納得してしまいそうなのが恐ろしい。
 まあ、「当たらずとも遠からず」で、受け止め方に縛りは出来ないが低想知なんちゃって。
 
            ➡    

きっと越冬体だろう…

2016-10-01 | 小父のお隣さん
 玄関前でこんもりと茂っていたウマノスズクサも僅かな地上部を残すだけになった。この株は今季3回はジャコウアゲハを送り出している働き者である。食い尽くされても食い尽くされても衰退することなく萌芽する生命力には驚嘆さえする。1シーズンで30~40体の終齢幼虫を保育していると思う。
 今回も幼虫が確認しやすくなった大きさのころに数えたのだが見える範囲で18匹生息していた。終齢になる前に飢餓が来るかと心配もしたが、すでにほとんどは株から離れ家の周囲を彷徨している。中にはお菊虫に蛹化した個体も多数あり、我が家の外壁はお菊虫や抜け殻だらけで、さながら蛹苫屋の様相を呈している。
 玄関前の目の高さですでに変態が始まり、縮んで三日月形になったのもいるし、糸をかけないで玄関たたきで蛹化してしまったおバカ虫も出てきた。この個体で初めて知ったのだが、変態を完了するにあたり幼虫の外皮を外している。外皮まで変態させるとは思ってもいなかったけれど、歴然たる証拠を目にするとディープな世界が足元にあった。
  食草は僅か  ➡  蛹化始まる    地上で変態