昨日といひ今日と流れて吉田川よしあしまにまに浮世なればや
昨日といひ今日と暮してあすか川流れてはやき月日なりけり 泰道列樹
いといつも呆けし我が身やむばたまの昼夜ころもをあれ裏表
いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣を返してぞ着る 小野小町
偽りの盛れる世ゆえにいかばかりめいるの言の葉滅入るなりけり
偽りのなき世なりせばいかばかり人の言の葉うれしからまし よみ人知らず
人の親の心は闇にあらねども孫に祖父母は節操ありや
人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑いぬるかな 藤原兼輔
余を捨てて山に居る人山にても猶浮きときは打ち出の小槌
世を捨てて山に入る人山にても猶憂き時はいづちゆくらむ 凡河内躬恒