前回、ヘキサ・スフェリコンの試作タイプを見比べていて欠けているのはムクの立体形なのだった。削り出すのは難しそうだからスフェリコンやオロイドのように試作する気持ちは無かったのだが、新調した遠近両用メガネで注視していたら「ビビビッ!」とアイデアが降臨したのだった。そうなると脅迫製作症の僕としては落ち着かなくなる。早速、図面だけ製図して翌日は加工に入ったのだった。相変わらず肩が痛くて腕が上がり難い状態なのにこんな作業は良くないことは判り切っているけれど脅迫製作症は薬が無いのである。
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まずは杭の端材を利用して作る事にしたので杭に直接、必要な線を描きいれた。これを万力で押さえて寸法に切断した。切断面は軽くサンダーを滑らせ滑らかにして竹串を貫通させる穴を通す。串を芯棒として接着剤を塗付してから出来上がりの外端線を合わせた角度で固定し圧着する。完全に接着せずとも30分くらいで動き難くなるので鋸で不要部分を切断する。これが出来るので後のサンダー作業が大幅に減らす事が出来て完成までも短時間だったのである。
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圧着はシャコ万を使った。形が円筒なので上から重しで圧着は難しい。鋸で不要な部分を製図線に沿って切断して曲面はサンダーで形成する。二個仕上げるのに5時間程度だった。意外と簡単であっけないけれど、やはり転がりは気難しい。色々なタイプを製作して気難しい理由の一端が判明した。「質量が大きくなると慣性も増加して安定した転がりを阻害し、また、ヘキサ・スフェリコンの様に急激な運動方向を変化させる物体は運動エネルギーの消耗が大きいのでエネルギーを早くに消失してしまう。この理由で骨格だけのタイプや塩ビ管で作ったタイプの転がりが良いのであるが運動方向の大きい変化は接地面の摩擦係数も関係してスリップし難い組み合わせを考えないとスリップして運動力を消失する事に繋がる。まあ、どちらにしても厄介なタイプなのであった。それでも結果上々だったからようやく強迫性製作症が消失したみたい。なんだかおいらもヘキサ・スフェリコンの親戚みたいだ。
作っては見たものの「容易に作れる」実証試作みたいなもので、作ったところで子どもたちが遊ぶには少々難しい。斜面や摩擦係数、動かす力加減や方向が微妙だ。木目を生かしたいと精密研磨すればスリップし易くなり期待される転がり運動が出て来ない。これは曲者である。出来上がりを見て妄想した。これは星の王子様の天体でマリオのカーコースに作り替えた代物なのだと・・・。そこでまた妄想がバージョンアップする。展開図を紙で作れば更に易しいかもかもと妄想は果てしなく、でも腕は痛いし疲れるなあ因果だなあ業だなあ脅迫製作症。