年末年始、特に予定も無し。師走も押し詰まってから和服の生地を次姉から頂いたから結果的にはソーイング三昧だったのだ。この日四日、世間的には仕事始めで温かい日差しもあるから「フイールドに出かける日和」と思ったものの未明までの降雨で濡れているはず。見回りしてもスリップ事故など御免だからソーイングの仕掛け途中の作務衣を片付ける事にし、お針子中にSさんから電話があった。「ハリガネムシがいる」と言う電話でフイールド初観察に出かけたようなのだった。そこで小生も気分転換に出かける事にしたのだがハリガネムシは後回しにして新年初見のチョウが4種、目の当たりに出来たのだった。
S先生曰く「7種は視認できる可能性はある」との話だったけれど、そうなればそれで宝くじ当選と同じ程度、七福神がカーペンターズの歌に乗って来たようなもんだろう。まあ、妄想初めはともかくとして4種の写真を撮れなかったのは小生がハリガネムシ採集で池の中に入ってしまったためである。それでも今期初の昆虫写真だ。キタテハは撮りっぱぐれたが残りの3種は撮影できた。
成虫越冬している個体で完全な姿を保っているのはめったに見ない。ほぼみんな「尾羽打ち枯らした姿」である。吸蜜出来るような花も無い時期なので栄養源は何だろうとS先生に問うたところ「体内に蓄積したエネルギー源を使うからほぼ水分だけ摂取出来れば大丈夫」との事だった。渡り鳥でシギの仲間だったか海上を渡るのに水に浮かぶ身体では無いので長ければ1週間ほどは飛行し続ける時もあり、体内に蓄積した栄養源が無くなれば自分の消化管の一部を消費しながら飛行する場合もある、と科学番組で紹介していた。干潟など休憩地の重要性は何物にも代えがたいはずである。人間社会だけでなく「一寸の虫にも五分の魂」だって大変なのだと言うのをつくづく感じてしまうのだった。