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トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

カマキリとハリガネムシ

2022-10-18 | 小父のお隣さん
 指切りと針千本は切っても切れない関係のようにカマキリとハリガネムシもそうなのだ。面白いのはハリガネムシは寄生したカマキリを水辺に誘導して次の生活ステージを確保するのだとか。物の本には「カマキリをゾンビ化させる」と形容していたのがあったように記憶している。
 カマキリにはハリガネムシは不要でもハリガネムシにはカマキリは絶対必要な存在なので人権団体からそしられる表現になろうかと思いつつ「悪女の深情け」を想ってしまった。科学的にはカマキリは「宿主」であるからハリガネムシの世代存続には必須の生物であって決して深情けでは無いのだが情感としては思ってしまう。

 宿主を人間に置き換えた場合、小生の世代では回虫や十二指腸虫、東洋毛様線虫、蟯虫などは学校をあげて検便し駆除に努めたものだったけれど生活や食物が清潔になるに従い激減した。その一方で増加したのはアレルギーと言われ個体の免疫活動を暇にしたばっかりに暴走させている、なんて論は久しい。
 フイールドでの寄生虫感染症は水田皮膚炎と称されるセルカリアに因るのが一期だけ発現した。幸い小生ではなく隣接グループの3人が田植え時に感染したのだったが脛の症状は小豆をまぶした如くで正視に堪えないものだった。それ以来、小生は素足や田植え足袋で水中に足を晒す事は止めたのだ。
 セルカリアは本来はカモ類などに寄生する鳥類寄生虫で人体には侵入しないとの事なのだが水中ではモノアラガイやタニシが中間宿主となるし容易に水中に漏れ出し晒された皮膚には10分程度で症状を出す速さがあるのだとか。二種の巻貝、両方とも水域には生息しているから油断はできない。

 さて少年時代、大きなカマキリを捕まえ腹からハリガネムシを出して遊ぶのも餓鬼道であったけれど、さすがに現在はそこまではしない。この日もたまたまトンボ池に沈んで蠢いていた個体を見つけブログ用に調理したのだ。
 この時期のカマキリは姿や容姿は落ちぶれ傷み、落武者風に見えるけれど虎視眈々、姿勢凛々は変らない。さすが昆虫界の絶対捕食王で、やはり「武士は食わねど高楊枝」やせ我慢でも意気地というものは大事である。
 でもなあ小生、一度でいいから「悪女の深情け」を体験したい、とまあ意気地は無いのだった・・・。頭頂部は光っていても光源爺にはなれないのは良ーくわかっていますハイ。