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トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

今日のトンボ「ハグロトンボ」

2020-07-17 | 小父のお隣さん
 水源地を整備しての帰路、路面でミヤマカワトンボを見たのだが息絶え絶えだったのでカメラを構える気にもならず素通りした。今期は既に撮影しているし「てなもんや三度笠」てなもんや・・・。
 そのあと今度はハグロトンボが出た。カワトンボ科が立て続けなのはきっと初めての事であろう。この時は息の粗さも静まってカメラを出す余裕もあったのだが、今度はトンボが「だるまさん転んだ」をしたがる。こうなると根気より「男の意気地」もとえ「お爺の執念」が出て「どうしても撮りたい」1枚を追ったのだ。

 それは翅を開いた写真で、かって一枚も撮影できていない。シャッターを半押しし機会を待って写しても、カメラのメモリーの性質なのか半押ししたタイミングの写真ばかりだった。それを反省して開いた瞬間にシャッターを押していたら、すべてがボケるかタイミングが合わず、結局は一枚も無いままであった。
 
 翅など開いていても閉じていても同じトンボなのは承知でもハグロトンボの黒い翅には独特の魅力がある。それは「紗」の感じそのもの、いーや絽だったか、紗と絽の違いは分からん小生である。ここでは紗とするが、それに初めて出会ったのは恐らく祖母の夏姿であろう。下着は「湯文字」いわゆる腰巻に紗の羽織風の上着を着けていたのを記憶している。もちろんブラなどはしていないから丸見えだった。それよりも「涼しそうでいいなあ」と思っていたのだった。
 田舎の事だったし、暑さが増せば上着も外し濡れた手拭いを両肩に羽織って生活していたのだった。ハグロトンボの紗に見える翅をゆっくりと開閉させる姿は一服の清涼感とともに雅や幽玄の世界、はてまた祖母の記憶まで醸し出してくれる好きなトンボだ。

 写真のトンボ「苦しゅうない、近う近う…」と言っている風に思えたけれど近寄ると一尺ほど逃げる。小生が送り狼風だったか・・・。この頃は「ストーカー」と言うらしいが、淡くなった、いいえ紗風になった記憶では「送り狼」は先立って振り返り振り返り歩くのだとか。そうするとトンボがそれにあたり「送りトンボ」、小生はただのストーカーであったわい。

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