毒殺説や胃がんによる死亡説のあるナポレオン一世だが、どちらにせよ、その最期は皇帝にふさわしからぬものだったらしい▼体調の異変に同郷コルシカ出身の若い医者を侍医に招くが、この人物、医師としては未熟な上に怠け者だったそうで悪化していくナポレオンにもまともな治療を施さなかった▼同情を禁じ得ないが、考えてみれば同郷のよしみか、その侍医を雇ったのはナポレオン自身である。皇帝の最期をつい思い出す安倍政権の深刻な「病状」である。河井克行法相が辞任した▼妻である参院議員の選挙スキャンダルを受けての判断らしいが、ご自分にも有権者にジャガイモを配っていた疑いがささやかれている。これで閣僚辞任は公選法違反疑惑の菅原一秀・前経済産業相に続いて二週連続。第二次安倍政権以降で辞任した閣僚は既に十人を数え、野球チームどころか、ひょっとしたらラグビーチームまでできてしまいそうな勢いとは情けない▼さぞや、安倍首相は苦しんでいるだろう。が、ひどい侍医を引き合いに出したくなるお方たちを最終的に選び、起用したのは安倍さん自身である▼「任命したのは私だ。責任を痛感している」。ご自分の責任はよく分かっていらっしゃるようだが、その責任をどう取るのかについては決しておっしゃらない。この人もご自分の辞書には「不可能」はないと考えているらしい。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます