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今日の筆洗

2019年01月06日 | Weblog
どなたが命名したかは知らないが、ニュースで無人機を表す「ドローン」の文字を見るたびに、名付けの妙に感心する。雄のミツバチを意味する英語である。ぶんぶん鳴る羽音、さらに「怠け者」という意味もある。荷物を抱えて飛ぶ姿と音から、怠け者たちが懸命に働くほほえましい絵を連想する▼昨年末、南太平洋の島国バヌアツで、険しい山岳地帯の子どもらにドローンでワクチンを届ける実験が成功した。国連児童基金(ユニセフ)は世界の同じ境遇の子どもへの朗報という▼頑張り屋の羽音は最近、国内でも響く。少し前に山間部などへ荷物を届ける試験の成功が相次いで伝えられた。過疎地のお年寄りの笑顔が浮かぼう。農業や防災などに活用するという地方発のニュースも多かった。今年はさらに増えるだろう▼一方で同じくらい目にするのが軍事のニュースだ。年末には、ロシアが核兵器搭載可能な水中ドローンのテストをしたと伝えられた。中国の開発も目覚ましい。大国の激しい開発競争はすでに始まっている▼軍事、民生の技術は表裏一体とはいえ、ドローンには独特な怖さがある。人工知能と融合したロボット兵器の登場である▼ミツバチの世界で、針を持っているのは雌だけだ。ないはずの針を無理に付ける不気味さを世界が感じる時が近づいているようで落ち着かない。心地いい羽音こそが似合うのだが。

 

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