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今日の筆洗

2018年10月14日 | Weblog
まだましだ」-▼イソップ寓話(ぐうわ)の「海豚(いるか)と沙魚(はぜ)」である。イソップの言いたいのは、力もない身でありながら、大人物気取りで仲裁役を買って出たハゼのおこがましさである▼イソップに逆らうわけではないが、非力でもその戦いを何とかしようとした、小さなハゼの方がまだ立派に思えてくる話かもしれぬ。なにかといえば、インドネシアのバリ島で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議である▼世界経済の最大の懸念材料である米中の貿易戦争への対応について共同声明の採択さえ見送った。「当事者同士で解決しないといけない」。イルカとクジラの戦いに仲裁のさじを投げてしまった▼G20の枠組みは決して力のないハゼではないだろう。にもかかわらず、米中の貿易戦争を止めるための具体的方策はおろか、決意、覚悟も示せなかった。機能不全と批判されても仕方なかろう▼米中の当事者同士で解決をという言葉がむなしく響く。国際経済という海の中でクジラとイルカが体を激しくぶつけ合えば、被害を受けない国はない。すべての国が当事者である。