三菱重工業の宮永俊一社長は15日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、子会社の三菱航空機が開発中のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」に関し、初めて受注がキャンセルされる公算が大きいと明らかにした。米イースタン航空が発注した40機(オプション含む)について、「恐らくなくなるだろう」と述べた。MRJはオプションを含め447機を受注済みだが、今後の営業活動にマイナスとなる可能性もある。
イースタン航空は、6月に別の米航空会社に買収されることが明らかになって以来、注文をキャンセルする可能性が高い、と見られていた、
開発が遅れている三菱MRJだが、性能は予想よりも良くなりそうだ。空力設計とエンジン性能が予想通りで、今後の細部の改良でさらに良くなる見込みと云う。
2月6日から11日の間シンガポールで開かれた航空ショーで三菱航空機福原営業本部副本部長が記者会見で語った内容を、近着のAviation Week誌 電子版 が、2018-02-13付けで報じた。表題は “MRJ is Meeting Specification and Could be Made Better”、作成はBradley Perrett氏。
名古屋空港に隣接した三菱小牧工場ではMRJ70型の最初の2機の組立てが始まっている。MRJ70は米国の市場で益々その重要性が高まっている。その理由は、米国では、大手エアラインとパイロット組合が締結している協約(Scope Clause)で“リージョナル機として運行可能なのは離陸重量39 ton以内”と定めてあり、大きいMRJ90はこれに抵触する。この“Scope Clause”は、大手エアラインに勤務するパイロットが、大型化するリージョナル機を運用するリージョナル航空に仕事を奪われるのを防ぐために設けた協約である。
三菱重工業と三菱航空機は、国産リージョナル旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の初号機の引き渡しが、現在の計画よりさらに2年遅れて2020年度半ばになるとの見通しを発表した。納期の延期は今回が5回目。MRJは最初の計画では2013年に初号機を引き渡す予定だった。
三菱重工は昨年11月28日付でCEO直轄の「MRJ事業推進委員会」を設置し、開発スケジュールが遅れているMRJ開発促進のため、三菱航空機とともに協議してきた。
MRJは、2015年11月の初飛行以来、現在3機が米国で飛行試験を行うなどプロジェクトを進めている。しかし、現時点で一部装備品の配置変更を実施するとともに、電気配線全体を、最新の安全性適合基準を満たす設計に変更することになった。この結果、MRJの量産初号機の引き渡し予定を、現在の2018年半ばから、2020年半ばに変更する。
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