現在株価1010,年初来安値で低迷
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クラレが米フィルム大手買収 包装用に強み、品ぞろえ拡充
クラレは22日、米フィルム製造のモノソル(インディアナ州)を買収すると発表した。薬品に強いなどの性質を持つポバール(ポリビニールアルコール)フィルムで、洗剤や農薬の包装を得意とする。クラレは液晶部材など光学分野ですでに世界シェアが8割あるが、モノソル社が強い産業分野も獲得し、品ぞろえと販路を広げる。
クラレはモノソル社株主の米ファンドなどと株式買い取りで合意した。9月ごろをめどに買収手続きを終える方向で、詳細を詰めている。買収金額は明らかにしていない。
ポバールフィルムは薬品に強かったり、水に溶けやすかったりする性質がある。モノソル社は少量の洗剤を包むフィルムなどを製造し、売上高は約100億円。
欧米に顧客企業が多いモノソル社と、アジア中心のクラレで販路を補完できる。モノソル社が外部調達してきたフィルムの原料樹脂はクラレが製造しているため、製品の拡大で生産性も高められると判断した。
クラレは液晶ディスプレーの偏光フィルム向けなど光学分野に強く、同分野の生産能力は年1億6千万平方メートル。原料樹脂では、2014年度中にも200億~300億円を投じ米国での工場新設を決めた。
光学分野では昨年、スマートフォン(高機能携帯電話)市場が伸びる一方、液晶テレビが低迷した。光学分野以外での強化も事業を安定させる課題に浮上していた。
クラレはポバール製品を主力とする樹脂部門の11年度の連結売上高が約1500億円で、全体の3割(グループ内取引などの調整前)を占める。
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