物流機器大手、ダイフクの2019年3月期の連結営業利益は前期推定比で1割弱増え、420億円程度になりそうだ。4年連続で過去最高を更新する。物流の現場では人手不足を背景に省力化の需要が高まっており、施設での自動化投資の活況が続く。米国や中国など海外では自動車部品や半導体ウエハーを運んだり、仕分けしたりする製品の受注が堅調で、業績を押し上げる。
売上高は約1割増の4500億円程度になる見通し。人手不足やインターネット通販の拡大を受け、ダイフクの売上高の3分の1程度を占める国内の物流現場では繁忙感が高まっている。倉庫内での仕分けや搬送といった業務効率化が急務で、ダイフクが強みとする物流自動機器への引き合いが強い。物流施設の増設や大型化も追い風だ。
海外も伸びをけん引する。中国では工場の生産ライン自動化への投資意欲が強い。スマートフォン(スマホ)や車載モニターなどに使うパネルや半導体などの搬送システムの販売が増えている。
欧米などの子会社で手掛ける空港向けシステムも堅調。手荷物の自動チェックインや搬送ラインなどを導入する動きが活発だ。
ダイフクの前期の受注高は、前の期より3割超多い5000億円弱だったもようだ。一般的に受注の多くは数カ月遅れで売上高に反映される。顧客の投資意欲は底堅く、今期もそれをやや上回る受注が見込まれる。
今後の懸念材料は需要の強さに対し、ダイフクの供給能力が徐々に限界に近づいていることだ。ダイフクは昨年、日米の工場での設備投資を目的に、公募増資などで200億円強の資金を調達した。ただ増産投資が軌道に乗るまでは、供給面がネックになりかねない。米国の保護主義の拡大などで、顧客の投資意欲が低下する可能性もある。
一方、市場予想の平均であるQUICKコンセンサスは、今期の営業利益を約490億円と強気に見込む。生産効率化などで供給余力を高められれば、420億円程度からの上振れもありそうだ。
18年3月期の連結決算については、売上高で前の期比28%増の4100億円、営業利益で69%増の390億円としていた会社計画を達成したもようだ。決算発表は5月11日を予定している。
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