メルカリ上場、日本初のユニコーン 日本経済成長へ政府も育成後押し
時価総額が約4千億円と見込まれるメルカリ上場は世界各国で台頭する巨大ベンチャー「ユニコーン」上場の日本第1号として、市場関係者の期待が大きい。
日本経済の成長に向け、既存の枠にとらわれないビジネスを手掛けるベンチャーの成長は不可欠。“第2、第3のメルカリ”育成に向けた環境作りが急務だ。
「国内外の個人や機関投資家がまんべんなく買いたがっている」。メルカリの主幹事を務める大和証券の担当者は胸を張る。公募株数に対する応募倍率は約35倍。公開価格は仮条件の上限となる3千円。約4千億円の時価総額はミクシィを抜いて東証マザーズ首位となる見通しだ。
注目を集めるのは規模だけではない。メルカリは「非上場で企業価値10億ドル(約1100億円)以上」と定義されるユニコーンでは日本初の上場案件。日本証券業協会の森本学副会長は「成長著しい企業の上場は市場の活性化につながる」と期待を込める。
*ユニコーン(英語 : Unicorn, ギリシア語 : Μονόκερως, ラテン語 : Ūnicornuus)は、一角獣とも呼ばれ、額の中央に一本の角が生えた馬に似た伝説の生き物。語源はラテン語の ūnus 「一つ」と cornū 「角」を合成した形容詞 ūnicornis (一角の)で、ギリシア語の「モノケロース」から来ている。非常に獰猛であるが人間の力で殺すことが可能な生物で、処女の懐に抱かれておとなしくなるという。角には蛇などの毒で汚された水を清める力があるという。海の生物であるイッカクの角はユニコーンの角として乱獲されたとも言われる。
ジャパンベンチャーリサーチによると、600億~800億円台で推移していたベンチャー企業の資金調達総額は平成26年に1444億円に跳ね上がり、昨年は2791億円に達した。1社当たり平均調達額も約3倍の3億1640万円。日銀の金融緩和策や企業のイノベーション志向がベンチャーキャピタル増加など、成長に不可欠なリスクマネー供給を促している。
日本ベンチャーキャピタル協会の仮屋薗聡一会長は「ほんの3、4年前はベンチャーが10億円を調達するのも至難の業だったが、今は100億円規模も可能。一定の株主還元が求められる上場をせずとも、成長への投資ができるようになった」と強調する。
グローバル競争に打ち勝てるユニコーンの育成に向け、政府も15日に閣議決定した成長戦略でリスクマネー供給強化や特許審査の迅速化などを打ち出した。リユース事業を手掛けるベンチャー「マクサス」の関憲人社長は「今後は資金供給環境の整備に加え、従来にない発想を持った人材を生み出す教育も必要になる」と課題を指摘する。(佐久間修志)
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