歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

滑川市・上梅沢遺跡 古墳時代初頭の円墳が出土

2009年09月12日 | Weblog
 滑川市の上梅沢遺跡(滑川市梅沢地内)で8日までに、古墳時代初期(三世紀)の円墳などが発見された。円墳は県西部で見つかることが多く、同市内で出土したのは初めて。
 調査は、県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所により8月から実施。3世紀ごろとみられる直径約20mの円墳と周囲からは祭祀に用いられる赤彩土器なども出土した。
 ほかに、古墳時代終末期の竪穴住居跡計6棟も見つかり、うち5棟にはかまど跡も確認した。
 かまど内で土器を火にかけるときの台として使われる支脚や、底には小さな穴が開いていて蒸し器のように使用した甑(こしき)、煮炊きに使ったとみられる「土師器」もあり、当時の炊事道具がほぼ一式残されていた。
 堀立柱建物跡や畑、道路とみられる遺構も見つかった。水の浸入を防ぐため、周囲に溝を巡らせた「周溝」を備える住居跡もあった。
 現地説明会が12日に行われる。
[参考:2009.9.9北日本新聞、2009.9.12中日新聞]
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磐田市・遠江国分寺跡 塔本塑像の頭部出土

2009年09月12日 | Weblog
 同市教委が10日、奈良時代8世紀に建立された遠江国分寺の跡地(同市見付・中泉)で、七重塔跡近くから「塔本塑像」の一部が出土したと発表した。国分寺跡での塔本塑像の出土は、前橋市の上野国分寺跡に続き全国2例目。
 7層あったと推定される塔の1層目に安置されていた「塔本塑像(とうほんそぞう)」の一部とみられる。
 出土した頭部は高さ7・8cm、幅5・3cm、奥行き6cmで、奈良時代の仏像の特徴である卵形の輪郭をしている。顔料で彩色されていた跡があり、髪の生え際や鼻、耳の形が残る。如来像か菩薩像とみられ、座像なら高さ40cm前後だったと推測されるという。塔跡の北側約8mの深さ20cmの地中から、多量の瓦とともに見つかった。
 市教委によると、心棒に土を盛って作る塑像は8世紀の仏像の主流技法だが、陶器のように焼いて作るわけではないので、地中の遺跡からそのままの形で見つかることはない。今回見つかった頭部は素焼きされたような状態だった。
 遠江国分寺は平安時代の歴史書「類聚国史」に記述のある819年に火災があったとされるが、これまで火災に遭った痕跡がないとされていた七重塔が金堂などとともに焼失していたことが分かったという。
 聖武天皇が741年に建立を命じた国分寺は1国1寺の官営寺院で、塔内部の装飾などは華美でないと考えられていたが、中央や地方の有力豪族が建立した寺院と同様、塔の内部が美しく彩色された仏像群で彩られていたと推測できるとする。遠江国分寺は8世紀後半に完成。火災に見舞われながらも、11世紀頃まで続いたと推定されている。
 塔本塑像の代表格は、釈迦入滅の様子をジオラマのように表現した奈良・法隆寺五重塔の「塔本四面具」が有名。
 仏像の頭部は11~18日、市立中央図書館東側の市埋蔵文化財センターで一般公開される。
[参考:中日新聞、静岡新聞、朝日新聞]

過去のニュース・情報
  2009.1.23 遠江国分寺跡/磐田市 七重の塔の間取り判明 僧坊跡?の柱跡が出土
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