カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

本家 尾張屋 本店

2012年11月21日 | 京都
「至れり、尽くせり。」

その日、出掛けるのが少々遅くなり、京都市内に到着したその頃には既にお食事処の多くは昼の休憩時間に入りつつあったものの、さて、ではどうしようかと思案して、記憶の片隅にあったこの通し営業の蕎麦屋を運良く思い出した、そのような次第です。

もう随分と以前のこと、東京の浅草にある同じ屋号の蕎麦屋の出汁があまりに味なかった覚えがあって、此処は其処とはおそらく無関係であると何度か教示されつつも、長らく何となく足が向かずにいた、そのような無意識を振り切って、いよいよ訪れることになったその蕎麦屋の風情というのは、思っていた以上に風格があり、しかし敷居は高くない、むしろ昨今のこだわりの手打ち蕎麦を謳う個人店と比べれば、幾らか安価ですらあるその価格、蕎麦とは本来こういうものでなくてはならない、そう言って膝を打ちたくなるようなその店構え、その全体なのです。

歴史を感じさせる暖簾をくぐり、座敷か腰掛け、どちらが好いかを尋ねて戴き、では腰掛けをと申し出ると、では二階へと通されます。
落ち着いた暖かい雰囲気の狭い間取りで詰まったその建物の内部は、少人数でいっぱいになる小部屋に意外なほど細分化されていて、その成り行きによっては容易に個室へと早変わりさせることが出来る、そのような仕組みのようです。

もう既にちょっと寒くなり始めた季節のこと、温かい玉子とじ蕎麦と、お揚げの載ったきつね丼を頼んで暫く、注文してはいない筈の蕎麦饅頭と蕎麦板が供されます。
驚いたことに、三時半以降に食事を取るのであれば、こちらは無料であるとのこと、これは恒常的なシステムなのでしょうか、それはわかりませんが、早速に思いがけなく嬉しいサービスです。

そしてその料理に関しては、お出汁が好ければそれで全てが許される、例えば、道頓堀にある今井の如きそんな風情、そして貫禄が此処にもあります。
もちろんのこと関東の蕎麦屋の出汁とは雲泥の差で、結局のところ無意識に抱いていたその不安というのは全くの杞憂でしかありませんでした。

充分に満足した帰り際、支払いの場で駐車場の件について尋ねてみると、向かいのコインパーキング駐車にて一時間分のキャッシュ・バックがあるとのこと、これもまた至れり尽くせりのサービスです、次回からの訪問で使わない手はないでしょう。

これ程に客の立場に添った御店の在り方というのも、ちょっとない、今からの観光シーズン、やはりこの店は大繁盛するのであろうこと、それはきっと必然の流れなのでしょう。

本家 尾張屋 本店そば(蕎麦) / 烏丸御池駅丸太町駅(京都市営)京都市役所前駅
昼総合点★★★★ 4.0



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