定年楽農

第二の人生を農で楽しもう

北海道の一次産業に対する国の責務

2008-09-19 21:55:21 | ひとりごと
今日は台風13号の関係で雨が降り続き、畑仕事ができません。
そこで普段思っている北海道の一次産業の将来についてまとめてみました。
北海道は今、北海道開発局の廃止が話題になっていますが「不正があったから潰してしまえ」だけでは、わが国にとって重要な北海道がどうなるのか、道州制、地方分権の流れの中で一次産業に限って、薄い髪の毛と薄い脳みそで私なりに考えてみました。

私の考える北海道の一次産業に関する国の責務は
① 食料供給力の確保(農業、漁業)
② 国土保全(森林資源、観光資源)
③ 国土防衛
の3点と考える。
これらは、地方分権推進法第四条の「国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務」に該当し、国自らが携わり、地方自治体に負わせるべきではないと考える。
北海道はこれまで基盤整備の遅れを取り戻すための北海道特例、北海道開発予算枠を持っていたが、もはや北海道は遅れていない。これらは順次縮小すべきであると考える。
しかし、一方で北海道は、ロシア、北朝鮮と国境を接し、また、領土は国土の22%を占め、全国農地の25%を占める。風光明媚に自然も管理されていて、わが国の貴重なかけがえのない大地である。
この北海道は、積雪などの自然条件、大消費地から遠距離という社会的条件等から、グローバル化された経済一辺倒の社会システムの中で一次産業を対等に競争させれば、人口減少が加速し、上記の3点は護れなくなる。
現在は北海道住民の犠牲の下に、わずかな人口減少に食い止めているにすぎない。
国は北海道のためにではなく、国のために、上記3点を確保する政策を打たなければならないと考える。
私の考える具体的な施策としては
1 牧草作付地への直接支払い。
 北海道の土地利用は、温暖な地域は水稲、野菜が作付けられ、比較的気象条件の厳しい、冷涼な地帯に牧草が作付けられ酪農が営まれている。
 しかし、酪農製品は国際競争が激しく、北海道の自然条件では対等に競争するには厳しすぎ、酪農家が離農し、牧草作付地が原野化せざるを得ない状況にある。
 しかし、これらの牧草作付地は、食料不測の事態には、馬鈴薯の栽培が可能である。しかも区画が広い。
 このような牧草作付地は、北海道には53万ha(全国農地の11%)もある。
 この牧草作付地の確保は食料供給力そのものであり、これを確保するのは国の責務と考える。
また、これらは主に北海道の北部及び東部に多く、国境近隣への定住は国防上重要でもある。
牧草作付地への直接支払いは、酪農経営の補助ではなく、牧草作付地維持の対価であり国民のためなのである。
2 土地改良施設の整備や管理を支援
 水の確保が重要。今までの土地改良施設は農業用にしか利用できなかったが、洪水防止に利用すれば国土保全、上水に利用すれば定住条件の向上に役立つ。市町村行政から見ればどれも同じ水である。この施設の維持は、食料供給力、国土保全、国防の面から国の責務である。
 国は、土地改良施設建設費の受益者負担をゼロにし、水資源(農業用水、洪水防止、上水、流雪水、防火用水等)の供給施設として新たに位置づけることが必要と考える。
3 漁港及び栽培魚場の整備、管理を支援
 北海道近海の漁獲量は、現状のままではほぼ限界に近いと聞く。食料供給力の確保のために、国は森林から海洋までの資源を総合的に管理し、さらに有効かつ高度に活用することが必要。
 漁民が海岸線に定住することは国防でもある。
4 国有林の管理
 北海道の国有林野は約306万ヘクタールで、全国の森林面積の12%を占め、国土保全、自然環境、観光資源に重要な役割を担っている。
 国有林は、主目的を木材生産から、天然林の育成などのような森林の保全に重点を移すべきと考える。
 
1~4の施策の箇所付け予算は、地方自治体からの要求ではなしに、中央において国益を柱とした基準で配分する。
また、これらの事務は国自ら管理すべきものと考える。
業務は、外注委託を活用するなど、組織は必要最小限にすべきことは当然である。
まちがっても社会保険庁のとった地方事務官制度のような中途半端な組織とすべきではないし、地方公共団体に請け負わせるものでもない。それが地方分権と考える。

コメント
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