元気のでる美味しい料理「焼き肉」
焼き肉はすき焼きやビフテキよりも安上がりです。
戦後の焼肉店のメニュー構成からすれば、客となる相手は日本人というよりも在日の韓国・朝鮮人を意識したものであった。
何よりも料理をつくる人が在日の人であったから、家庭料理の延長線上のものであったと言っても過言ではない。
利用者も在日が中心であった。焼肉にキムチ、ナムル、クッパ、ピビンパが中心メニュー、冷麺を出せるところはランクが上であった。
有名人達の「隠れた」利用も多かったと聞きます。
プロレスで有名な力道山は大阪千日前の食道園の仙台の経営者とは、同じ北朝鮮出身ということで、意気投合して飲み明かすこともしばしばであったようです。
歌手の美空ひばりの大劇公演のときには、食道園は指定店となり、コムタンスープ、ナムル料理を出前するのが日課になっていたといいます。
美空ひばりのお父さんが朝鮮人であったと、在日の人の間では事実だと信じられていたようです。
プロ野球ロッテの監督もされたピッチャーの金田正一は国鉄スワローズの時代、尼崎の焼肉店をよく利用したようだ。
店では一人で部屋を貸しきりで、閉め切ってキムチと焼肉を何人前も平らげ、好物は豚足だったという話を、店の経営者が話していたようだ。
焼肉が日本の食生活に容易に受け入れられ、またたく間に普及したのは、ひとつは日本人の栄養状態と無関係ではない。
食料が不十分な上に健康に必要な良質のタンパク質が思うようにとれなかった。
一度に肉をとる量としては、焼肉料理はすき焼きやビーフステーキよりも安上がりであること、一緒に食べる野菜類、特にキムチとの相乗効果が、疲労回復、体力向上に大いに益することが実感できたと言うことであります。