北朝鮮と中国は8日、鴨緑江の島・黄金坪地域で着工式を行い、共同開発に本格的に着手した。
中朝は同日午前10時30分頃、鉄条網を間に置いた黄金坪の両国中間地帯で、両国官僚と招請者、現地住民約1000人が参加して、共同開発着工式を行った。
着工式には北朝鮮から張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長兼労働党行政府長と、李スヨン合弁投資委員長が、中国から陳徳銘商務相が参加した。
着工式場の所々には「朝中親善」「共同開発」等の文句が書かれた大型アドバルーン数十個が浮かび、着工式2時間余り前から、軍楽隊演奏と北朝鮮の歌「口笛」等が流れ出て、雰囲気を盛り上げた。式は40分間進行し、祝砲を撃って、ハト数百羽を飛ばし、午前11時10分頃、閉幕した。
これに先立って同日明け方から、中国公安は行事場近隣に配置され、外部の人の出入を統制した。
両国はこの日の行事を「黄金坪・威化島経済地帯朝中共同開発共同管理対象着工式」と命名し、黄金坪賃貸条件などを明示した合作開発協約も締結したという。
また9日には羅津先鋒特区で起工式が行われる予定で、今後、中朝経済協力は黄金坪・威化島・羅先の3拠点を中心に本格化するものと見られる。
ひとまず黄金坪は北朝鮮が中国に最長100年まで賃貸する方式で、商業センターと情報産業、観光文化産業、現代施設農業、加工業の4大産業団地を中心に開発されるものと見られる。
両国はまず、共通市場と被服工場など賃加工団地を造成して、△黄金坪と新義州をつなぐ旅客・貨物埠頭、△黄金坪特区内部道路網、△黄金坪と丹東新区をつなぐ2つの出入道路なども建設する予定だ。
これに伴い中国が工業地域を改造しようとする東北振興策の一つとして推進中の「遼寧沿海経済ベルト」と、黄金坪をつなぐ鴨緑江流域「中朝経済協力ベルト」が形成される見通しだ。
一部では黄金坪が中国の資本と北朝鮮の安い労働力を結合させた「中国版開城工業団地」の役割をするという観測も出ている。
また、香港の新恒基国際グループなど民間企業が開発を主導するものの、中国政府が投資額の70~80%まで事後損失保障をすることを約束したと伝えられている。
北京の対北朝鮮消息筋は、「陳徳銘商務相が着工式に参加したことは、意見の差があった損失保障や信用限度(中国銀行の対北朝鮮貸し出し限度)等、主要懸案が妥結したことを意味する」と話した。
だが、まだ中朝経済協力が順調に進行するかどうかは未知数だ。北京外交界のある要人は、「北朝鮮が経済開発のために黄金坪、威化島、羅先の3カ所に限定した開放策に出たと見られる」としながらも、「しかし、現在まで北朝鮮に投資して成功した例がなく、北朝鮮の開放も体制問題の故に限界があるだろう」と指摘した。
中国にも開発する土地は豊富にあり、企業が敢えて体制危険の負担まで抱え込んで北朝鮮投資に出る可能性は希薄だという話だ。
特に北朝鮮が希望している新義州特区開発も、現実性が低いという観測が多い。北京の別の対北朝鮮消息筋は、「新義州と丹東が同じ経済圏として結合して、企業投資や開発が活性化すれば、他の片方は萎縮する“代替”関係を形成している」とし、「このために中国が新義州特区開発に積極的に出る理由がない」と話した。