田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『007/私を愛したスパイ』

2020-02-19 12:44:09 | 映画いろいろ

『007/私を愛したスパイ』(77)(1983.5.22.月曜ロードショー)

 ストーリーは相も変わらぬ荒唐無稽なもの。自然、その中の興味は、毎回入れ替わるテーマ曲とボンドガール(寅さんのマドンナみたいなものか)、あるいはボンドの敵役やその手下の殺し屋のキャラクターが大きな比重を占めることになる。

 今回は、まずカーリー・サイモンが歌ったテーマ曲が抜群。ボンドガールのバーバラ・バックはわが好みではなかったが、敵役のクルト・ユルゲンスと、その手下のジョーズことリチャード・キールの好演が光った。

 さて、このシリーズを見て毎回感心するのは、何と言ってもボンドの影武者=スタントマンたちのすごさである。子どもの頃は、ショーン・コネリーやロジャー・ムーアは何とすごいアクションをするのだろう、などと単純に思っていたのだから、こうした夢物語の裏作業を知ってしまうのも良し悪しということになる。

 また、このシリーズはストーリーが荒唐無稽な分、しばしば国際紛争の場が舞台となるのだが、その中心にはジェームス・ボンド、つまり大英帝国がいるという、いささか時代遅れ的な設定になる。こんなところにかつて世界を支配した大英帝国のプライドが残っている、と考えると、ちょっとおかしいような、悲しいような、妙な気分になる。

「007」シリーズ その2
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b1a84eb8cebbc71033662a5ea7a9db4e

不死身の殺し屋“ジョーズ”死す
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2b09662901817fae450fef66d8ac96bb

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『007は二度死ぬ』

2020-02-19 10:29:47 | 映画いろいろ

『007は二度死ぬ』(67)(1981.10.19.月曜ロードショー)

 

 今から約14年前の映画だが、日本を舞台にしているので、どんな描き方をしているのかという点に興味があった。

 エキゾチックな雰囲気を狙ったのだろうが、オープニングの蛇の目傘のシルエット、家には鎧や兜があり、相撲、空手、剣道、柔道、そして芸者、あげくは忍者までが登場する。こうした、いかにものイメージには「あーやっぱり…」という残念な気がした。

 ただ、日本人のタイガー田中(丹波哲郎)を、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)と互角に渡り合わせたり、ボンドガールに扮した浜美枝と若林映子もなかなか良い、など、日本に対する配慮も見られた。

 それにしても、人工衛星を飲み込む巨大ロケット、火山をぶち抜いた秘密基地、地下鉄の奥や城内にある基地、ボンドを日本人に変装させる(全くそれらしくは見えなかったが…)など、とにかく荒唐無稽な楽しさがある。

 最近の007/ムーンレイカー』(79)は、その荒唐無稽さが行き過ぎて、逆に魅力を半減させた感もあったが、最新作の『007/ユア・アイズ・オンリー』(81)では、ジョン・グレンがシリーズの原点に戻してくれて、大いに楽しませてくれた。

敵役のブロフェルドはドナルド・プレゼンス。

「007」シリーズ その1
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7fcec998a3e9aa1a1b2b1e800d6a59cb

 

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