不死身の殺し屋“ジョーズ”死す
2メートル18センチの巨漢俳優リチャード・キールが亡くなった。『007/私を愛したスパイ』(77)と『007/ムーンレイカー』(79)で、鋼鉄の歯を持つ不死身の殺し屋“ジョーズ”を演じて強烈な印象を残した彼である。ジョーズという名前は、スピルバーグの大ヒット作『ジョーズ』(75)にあやかったもの。サメの顎にも負けない鋼鉄の歯の持ち主というわけだ。
『007/私を愛したスパイ』では冷酷な殺人鬼だったが、『007/ムーンレイカー』では三枚目的なキャラクターに変化したのも、キールの人柄がスタッフ、キャストから愛されたためだったという。007シリーズは個性的かつ魅力的な悪役の宝庫だが、今のところ2作続けて登場したのはジョーズだけだ。
70年代の映画を語るときにジョーズは不可欠の存在。俳優としては一世一代の当たり役を得たことは幸せだったのではあるまいか。他の主な出演作は、『ロンゲスト・ヤード』(74)『大陸横断超特急』(76)『ナバロンの嵐』(78)『ペイルライダー』(85)など。
カーリー・サイモンが歌った『007/私を愛したスパイ』の主題歌「Nobody Does It Better」を聴くたびに彼のことを思い出すことだろう。
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