田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【ほぼ週刊映画コラム】『スキャンダル』

2020-02-20 17:48:53 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
テレビ局内のセクハラ騒動を描いた
『スキャンダル』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1215705

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『ネバーセイ・ネバーアゲイン』

2020-02-20 09:26:35 | 映画いろいろ

『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(83)(1991.9.27.金曜ロードショー)

 ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じた最終作の『007/ダイヤモンドは永遠に』(71)を見た時は、似合わないかつらのせいもあったのか、コネリーが随分と老けて見えて、もうボンド役には無理があると思わされた。

 だから『007/死ぬのは奴らだ』(73)でボンド役がロジャー・ムーアに替わったときは、ボンドが若返ったと思って歓迎したものだ。実際はムーアの方が年上だったのだが…。

 ところがその後コネリーは、渋くなった風貌を逆に生かして、数々の映画で立派な演技を披露し、見事にイメージチェンジに成功した。その彼が、今度は枯れたボンドを演じれば、「やっぱりジェームズ・ボンドはショーン・コネリーでなくちゃ」と思わせるのだから大したもの、というか、見る側は勝手なものである。

 ただ、シリーズとは別に作られた一種のパロディ的なこの映画にコネリーが出たのは、彼が俳優として自信を持ち、「昔俺はボンドだったんだぜ」と余裕で言えるようになったからだろう。だから、この映画も遊び心を持って、楽しみながら演じることができたのではないかと思う。ただ、これで本当に「ネバーアゲイン」にしてほしいが。

 この映画の監督のアービン・カーシュナーは、『サウス・ダコタの戦い』(76)『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)『ロボコップ2』(90)と、いわゆる“続編もの”を撮っている。だから、この映画の監督の話も彼のところに行ったのかな。

 

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『007/オクトパシー』

2020-02-20 08:36:18 | 映画いろいろ

『007/オクトパシー』(83)(1983.6.15.ミラノ座)

 このシリーズも今回で13作目になる。そして、前作『007/ユア・アイズ・オンリー』(81)同様、監督のジョン・グレンは、荒唐無稽な話の中に、米ソ関係やサーカスといったドラマを盛り込んで、もはや行き着くところまで行ってしまった感があるシリーズの流れを、ぎりぎりの線で食い止めている。

 とはいえ、ロジャー・ムーアは年齢的にも外見も、ボンド役にはきつくなってきているし、アクションシーンも、以前のように目を見張るものが見当たらない。ボンドガールも『007/黄金銃を持つ男』(74)に次いで、モード・アダムスが再登板というのもちょっと寂しい。敵役のルイ・ジュールダンもいささか地味だ。

 また、シリーズ開始当初は、車や秘密兵器をはじめとする、大道具、小道具が、現実には存在しないものばかりで、見る側は現実離れをした話として、素直に夢を見られたのだが、最近はテクノロジーの発達が映画を追い越してしまい、ボンドの秘密兵器がセイコー、ソニー、カシオ製だったりすると何だか妙な気分になる。

 元祖ボンドのショーン・コネリーがシリーズとは別の007映画に主演する、などという苦笑するような話もあり、このシリーズも、わが国の寅さん同様、そろそろ幕引きを考えた方がいいのでは、と思わされる。

【今の一言】この時書いていた「コネリー主演のシリーズとは別の007映画」とは、アービン・カーシュナー監督の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(83)のこと。タイトルはコネリーの妻が「もうボンドを演じないなんて言わないで(ネバーセイ・ネバーアゲイン)」と言ったことに由来するという。

「007」シリーズ その2
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b1a84eb8cebbc71033662a5ea7a9db4e

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『007/ユア・アイズ・オンリー』

2020-02-20 07:03:02 | 映画いろいろ

『007/ユア・アイズ・オンリー』(81)(1981.6.29.東洋現像所)

 ジェームス・ボンド役がロジャー・ムーアに代わってから、この映画で5本目になるのだが、『007/ダイヤモンドは永遠に』(71)のショーン・コネリー同様、そろそろムーアも限界か…、という感じがした。そのせいか、ボンドガールのキャロル・ブーケはなかなか魅力的なのに、ラブシーンも抑え気味だった。

 ただ、今回は編集から監督に出世したジョン・グレンが、シリーズの原点に帰ったような冴えを見せ、映画全体としてはテンポも良く、パロディ(特に名ゼリフ「雨に殺せば」!)もあり、大いに楽しめた。
 
 中でも、スキー場でのボブスレーを使った追っ掛けシーンや、ラスト近くのロッククライミング(イーストウッドの『アイガー・サンクション』(75)を思い出した)などは圧巻である。よっぽど素晴らしいスタントチームなのだろう。

 また、『屋根の上のバイオリン弾き』(71)『フォロー・ミー』(72)のトポルが出ていたのもうれしかった。やはり彼には善人役がよく似合う。『フォロー・ミー』の謎の菓子に代わって、今回は木の実を絶えずむしゃむしゃと食べていた。こうした共通性も楽しい。

 テーマ曲はシーナ・イーストンが歌っていたが、このシリーズのテーマ曲を歌った歌手が画面に映ったのは彼女が初めてだろう。で、この曲はシリーズ史上に残る名曲の一つだと思う。それにしても、ドルビーってこんなにいい音だったっけ、と改めて思わされた。

「007」シリーズ その2
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b1a84eb8cebbc71033662a5ea7a9db4e 

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