『アビス』(89)(1993.2.9.)
油田発掘基地の近くで原子力潜水艦の座礁事故が発生し、基地のスタッフとアメリカの特殊部隊が調査を開始。前人未到の深い海溝で未知の生命体と遭遇する。
今、映画館で完全版が公開中。ところが、久しぶりに民放で放送されたトリミング&カット版の方で再見してしまった。
さて、常々「ジェームズ・キャメロンは理科系の監督」だと思っているのだが、この映画からもそれは感じられる。これは、いわばスピルバーグの『未知との遭遇』(77)の深海版なのだが、前者が文学的な温かさを持った映画だったとすれば、同種のものを描きながら、この映画は無機質で機械的な感じがして、どこか冷たい印象を受けるのだ(それは舞台が深海のせいなのか?)。
とは言え、完全版の存在がちらついて、後ろ髪を引かれるような思いが残ったことも否めない。こうなると、結局完全版も見てみなくては、ということになる。
【今の一言】などと書きながら、結局完全版は見なかった。