田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』

2020-02-28 11:22:42 | 新作映画を見てみた

 『スーサイド・スクワッド』(16)のジョーカーの恋人ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)が、ジョーカーと別れて独り立ち。モラルのない暴れっぷりで、ゴッサムシティの悪党たちから次々と恨みを買う。

 そんな中、ハーレイは謎のダイヤを盗んだ少女を守るため、くせ者だらけの女性たちとチームを結成し、悪の親玉ブラックマスク(ユアン・マクレガー)と全面対決することになる。

 プロデュース兼任のロビーが、サンダンス映画祭で注目された中国系のキャシー・ヤンを監督に起用。最初は、突き抜け過ぎたキャラクターや過激な描写に面食らうが、慣れてくると違和感が消え、面白く感じられるようになってくる。

 複数の人物のエピソードが入り乱れ、時間軸が行きつ戻りつするところは、タランティーノの『レザボア・ドッグス』(92)『バルプ・フィクション』(94)をほうふつとさせるところもある

 ポップな色遣いやアクションが見どころ。ひたすら女性が強いのは、今の時代を象徴しているのだろう。

 さて、タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でのシャロン・テート、『スキャンダル』、そしてこの映画と、このところのロビーの活躍には目を見張るものがある。

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『2分の1の魔法』

2020-02-28 08:00:07 | 新作映画を見てみた

 亡くなった父にもう一度会いたいと願う兄弟が、魔法の力で下半身だけ復活した父を、完全によみがえらせるために奮闘する姿を描く。

 原題は「ONWARD=前進」。監督ダン・スキャンロン。声の出演トム・ホランド、クリス・プラット。

 『トイ・ストーリー4』(19)公開時の、ジョシュ・クーリー監督の「今、ピクサーが開発中の映画は、シリーズものではなく、全てがオリジナル」という言葉通りの新作。『リメンバー・ミー』(17)同様、生者と死者との関わり、家族の絆がテーマとなる。

 特に、父と子の姿は、霊を媒介にした『フィールド・オブ・ドリームス』(89)をほうふつとさせるところもある。こうした父親の不在は、家族関係の変化を象徴しているとも言えるのではないかと思う。

 キャラクターは一見グロテスクだが、だんだんとなじんでくるところがピクサーアニメの不思議なところだ。

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