たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

平岩弓枝著 御宿かわせみ10 「閻魔まいり」

2020年01月21日 10時08分51秒 | 読書記

図書館から借りていた 平岩弓枝著 「御宿かわせみシリーズ」第10弾の作品、「閻魔まいり」 (文春文庫)を 読み終えた。
「御宿かわせみシリーズ」は 江戸大川端の小さな旅籠「かわせみ」に持ち込まれる様々な事件や厄介事に かわせみの女主人るい、るいと夫婦同然の恋人、神道無念流の遣い手神林東吾、東吾の親友八丁堀同心畝源三郎等が 明るく立ち向かう、江戸情緒あふれる人情捕物帖である。

本書には 表題の「閻魔まいり」をはじめ 「蛍沢の怨霊」「金魚の怪」「露月町・白菊蕎麦」「源三郎祝言」「橋づくし」「星の降る夜」「蜘蛛の糸」の 連作短編8篇が収録されている。

平岩弓枝著 御宿かわせみ10 「閻魔まいり」

「蛍沢の怨霊(ほたるざわのおんりょう)」
神林東吾るいお吉は、八丁堀同心畝源三郎のお手先長助の案内で 長助の若い子分2人と総勢6人、大川端から猪牙舟で隅田川を上り、豊嶋村の渡し場近くの蛍沢へ蛍狩に出掛けたが、そこで 男の死体を発見する。源三郎の調べで八王子村の清治郎と分かるが 事件の真相は?

「金魚の怪」
かわせみにやってきた源三郎から「金魚を食って死んだ奴がいる」話が出る。巣鴨仲町の一橋家お抱え医者水野玄英の一人息子捨次郎、さらに 妻女の牧野も死ぬ事件が起きる。
殺人事件なのか?、東吾、源三郎達の 謎解き、真相究明は始ま・・・。

「露月町・白菊蕎麦(ろげつちょう・しらぎくそば)」
露月町の蕎麦屋白菊蕎麦の婿になった又七は 妻おてるが他の男に惚れたことで離縁された。
おてるの新しい夫岩次郎の死体が川の中で発見されたが 下手人は?、
長助、東吾等が 謎解きに奔走する。

「源三郎祝言」
八丁堀同心畝源三郎は 神林東吾、庄司るいとは幼馴染、誠実、迅速、着実、仕事熱心だが 色恋にはさっぱりの朴念仁。到底 所帯を持つ話等 出てこないキャラクターとずーっと思わせられていたが この篇で なんと あっさりと所帯を持つことになる。
とんとん拍子に進んだ笠原長左衛門の娘との縁談、祝言当日に 大波乱、
これまで あまり表舞台に登場しない 東吾の兄、南町奉行吟味方与力神林通之進の一計が見事に的中、ハッピー・エンドとなる。
東吾は兄に訊ねた。
「あの二人は最初から好き合っていたのですか」・・・・、
「お前は気づかなかったのか」「一向に・・・」
以後 お千絵源三郎、のみの夫婦の暮らしも 随所に登場することになる。

「橋づくし」
箱崎町の老舗海産物問屋小田原屋にいい縁談が有ると評判になっている。
目が不自由な一人娘おとよの婿になる男とは?
おとよが襲われたが 東吾、源三郎、長助が行き合わせ、寸前で助かり、三人の男が捕らえられたが 結末は?

「星の降る夜」
日本橋の小間物袋物伊勢屋で発生した怪奇現象。米沢町釘鉄銅物問屋加賀屋では死人が出たが、怪奇現象を利用した殺人事件なのか?、
源三郎、東吾等が 謎解きをしていく。

「閻魔まいり(えんままいり)」
表題の作品、浅草寺境内に有る閻魔堂は 正月16日と7月16日が縁日。
ごった返す堂内で 晴れ着が切り裂かれる事件が発生。日本橋の煙草問屋湊屋仁左衛門の娘お駒、姪のお民、和泉屋源八、弥七の関係。そして お駒が殺された。下手人は?
「やっぱり女は おっかねいな」、東吾は 首をすくめた。

「蜘蛛の糸」
かわせみに泊まった東吾は 庭先で蜘蛛が巣を作っているところを眺めている。季節は 啓蟄を過ぎた頃。かわせみに宿泊した桐生の機屋吉田五右衛門と姪のお信から相談を受け、日本橋白木屋の手代寅太郎との縁を探るが タイミング歯車が合わない結果となる。人生の皮肉
「蜘蛛でも、やり直しをするってえのは 大変なんだろうな」・・・(中略)、

近江へ帰った彼は 今 どんな思いで 新しい巣を作り出そうといるのか。


この記事についてブログを書く
« 招かざる客・・・ではあるが | トップ | デジブックを見る その3 「... »

読書記」カテゴリの最新記事