長谷川が大差の判定で5度目の防衛に成功、日本人のバンタム級
世界王座防衛最多記録を更新した。
欧州王座8度防衛中の世界1位に対し、力の差を見せ付けて
完勝したことは素晴らしい。ランキングと実力は必ずしも比例しない
とはいえ、上位ランカーばかりを相手に勝ち続ける長谷川の強さは本物だ。
しかし、内容を見れば決して「会心の出来」とは言えない。
負の要素は、枚挙にいとまがない。一時は引退まで考えたという
ジム移籍のゴタゴタ、それに伴うブランク、約13kgに及んだ減量、
移籍後初の試合、そして夢のアメリカ進出のためには「いい勝ち方を
しなければならない」というプレッシャー(世界1位を相手に快勝が
義務づけられるチャンピオンなどそう多くはない)。
そして試合中には、相手のパンチによる大量の出血(実際は
バッティングによる傷である可能性が高い)。無理に打ち合いに行って
傷が深くなれば、試合をストップされてTKO負けになる恐れがある。
そこで長谷川は迷い、行くに行けなくなってしまった。
また、この日の長谷川は、なぜか動きにいつもの切れがなかった。
過酷な減量のせいだろうか、KOを意識しすぎたせいだろうか。
最大の魅力であるはずの、スピードがあまり感じられない。
様々な逆境を前にしても、長谷川は巧みな体さばきで相手のパンチを
かわしたり、終盤には激しい打ち合いを仕掛けたりと、何とか観客を
湧かせようという努力はしていた。そして何より、そういった状況の
中でも大差で勝ってしまう辺りはさすがである。
ただ、長谷川がさらに大きな舞台を目指していることを考えれば、
決して万人を納得させるような内容でなかったのも事実だ。
トレーニングによって体が大きくなり、減量も厳しさを増している。
コンディショニングの面も含め、今後に課題を残した試合でもあった。
世界王座防衛最多記録を更新した。
欧州王座8度防衛中の世界1位に対し、力の差を見せ付けて
完勝したことは素晴らしい。ランキングと実力は必ずしも比例しない
とはいえ、上位ランカーばかりを相手に勝ち続ける長谷川の強さは本物だ。
しかし、内容を見れば決して「会心の出来」とは言えない。
負の要素は、枚挙にいとまがない。一時は引退まで考えたという
ジム移籍のゴタゴタ、それに伴うブランク、約13kgに及んだ減量、
移籍後初の試合、そして夢のアメリカ進出のためには「いい勝ち方を
しなければならない」というプレッシャー(世界1位を相手に快勝が
義務づけられるチャンピオンなどそう多くはない)。
そして試合中には、相手のパンチによる大量の出血(実際は
バッティングによる傷である可能性が高い)。無理に打ち合いに行って
傷が深くなれば、試合をストップされてTKO負けになる恐れがある。
そこで長谷川は迷い、行くに行けなくなってしまった。
また、この日の長谷川は、なぜか動きにいつもの切れがなかった。
過酷な減量のせいだろうか、KOを意識しすぎたせいだろうか。
最大の魅力であるはずの、スピードがあまり感じられない。
様々な逆境を前にしても、長谷川は巧みな体さばきで相手のパンチを
かわしたり、終盤には激しい打ち合いを仕掛けたりと、何とか観客を
湧かせようという努力はしていた。そして何より、そういった状況の
中でも大差で勝ってしまう辺りはさすがである。
ただ、長谷川がさらに大きな舞台を目指していることを考えれば、
決して万人を納得させるような内容でなかったのも事実だ。
トレーニングによって体が大きくなり、減量も厳しさを増している。
コンディショニングの面も含め、今後に課題を残した試合でもあった。