
京都府京都市中京区大日町407
夕懐石
桜には少し早い京都だが、五条辺りの鴨川縁では少しばかり花を咲かせた数本のしだれ桜が迎えてくれた。四条御幸町上るの「近又」は創業が享和元年(1801年)で近江出身の初代から200年以上続くオーベルジュ。現在の建物は明治20年代築の京都の典型的な町家作りで2001年に「国の登録有形文化財」に登録されている。弥生三月とあって店に入ると由緒ある雛人形が飾られている。1階の奥の座敷で窒フ穂垣の施された庭を眺めながら、有名画伯の襖絵を背に盃を傾け絶品の京料理に舌鼓を打つのは何と贅沢なことであろうか。暦が卯月に変わるまで供される雛懐石は白酒から始まり、蛤の貝合わせの器に盛られた先付と続きお造りは新鮮なぐじや真鯛の盛り合わせ。海老や若窒ネど旬の素材が上品な味付けが施され次から次へと運ばれて至福の時間が過ぎて行く。ほろ酔い加減の視界の隅に花簪が揺れようものならまさに京の都の雛祭りである。
近又 (懐石・会席料理 / 河原町駅、祇園四条駅、烏丸駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.6
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