▲小学校児童を見守るように建つ旧麻績小学校北校舎
9月21日国の文化審議会が開かれ、平野文部大臣に24都道府県の建造物155件を登録有形文化財にするよう答申がされました。
長野県内では1件、麻績村の旧麻績小学校北校舎が登録されることになりました。
昭和11年に建築された北校舎は、寄棟木造2階建、総面積延べ1,216㎡、外壁は木骨スレート張り、教室や廊下は建物強度を増すための舟底天井、木製階段の独特の意匠、など当時の学校建築様式を残す建物です。
この北校舎は、昭和42年旧麻績村・旧日向村の統合麻績小学校を建設するにあたり取り壊すことが条件になっていましたが、村民の強い要望と熱意により残った建物で、新校舎完成後の昭和46年からは中央公民館として長く使われて来ました。
その後平成19年には、老朽化が進み耐震強度不足とのことから新たに村地域交流センターを建設し、そこに中央公民館を移して北校舎は取り壊すことになりました。
こうした中、愛着のある北校舎の取り壊しを惜しむ声や、歴史的価値を訴える意見が多くの方から寄せられたことから、専門家にその調査を依頼しました。
調査結果は “学校建築の歴史の上で貴重な存在”、そして“戦前・戦後の村民の心根の結晶がここまで凝縮された建築は他に例がない”との報告を頂きました。
こうしたことから方針を転換して保存活用をすることに致しましたが、議会を始め村民皆様にご理解を頂きましたこと深く感謝申し上げます。また、保存に向けた耐震補強工事には、有利な交付金と起債(過疎債)が活用できることになり、実質的な村費負担は取り壊しの計画とほぼ同程度で済みます。ご指導下さいました県・国の関係者には心より感謝申し上げます。
この度の登録で増改築が制限されることから、活用面では多少不便さを感じることもあろうかと存じますが、先の旧北校舎保存活用検討委員会(小山知泰会長)の答申を尊重して、世代を超えた交流の拠点となるような建物にしたいと考えております。
麻績村に大きな宝物が一つ増えた思いです。村民の誇りとして大切にしていきましょう。
▼美しい旧麻績小学校北校舎