はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

狼と香辛料(7)

2009-06-27 21:01:21 | 小説
狼と香辛料〈7〉Side Colors (電撃文庫)
支倉 凍砂
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「狼と香辛料(7)」支倉凍砂

 共同のあがりを奪って逃走した女商人・エーブを追うホロとロレンスは、レノスの港からの商船に同乗させてもらい、一路ケルーベを目指す……という本筋はさておき、絶好調行商ファンタジーシリーズの短編集。
「少年と少女と白い花」
 6巻でも多少触れられていた、ホロと旅を共にしたことのある少年クラス、少女アリエスの出会いの一幕(おそらく続きもの)。クラス視点の一人称。
 どこまでも純粋に神を信じるアリエスの出生の秘密と、そのアリエスを守ると誓ったクラスの幼い愛。それをおちょく……もとい見守るホロの慈愛、といったところが見所なのだろうけど、このシリーズって、「商売」がないとただのファンタジーなんだよね。凡庸。
「林檎の赤、空の青」
 ロレンス一人称。
 ホロが大好物の林檎を食べまくったり、北へ行くための服を2人で品定めしたり……ただのデートの話。
「狼と琥珀色の憂鬱」
 ロレンスはいるが、あえてホロの一人称。
 羊飼いのノーラと打ち上げの最中、いきなり調子が悪くなったホロが倒れる。病床(というほどおおげさでもないが)で甘えまくるホロの赤裸々なベタ甘な胸の内がいま明らかに。羊と羊飼いと狼を実際の人間に見立てるシーンが良かった(誰がどれかはわかるよね)。

 2話以外は行商シーンがなく、やはりそこがいまいち喰い足りない印象。本筋への思い入れは深まるが、あえて読む必要はないのかな……。

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