はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

ホーンテッド!(1)

2010-04-08 09:12:35 | 小説
ホーンテッド! (MF文庫J)
平坂 読
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「ホーンテッド!(1)」平坂読

 いつかの未来。死んだ人間の何割かがゴーストと呼ばれる幽体になって現世を漂うようになった時代。高校生の久遠悠紀は幼なじみのボクっ娘・深春に告白された。
「好きです! ボクと付き合ってください!」
 捨て身のプロポーズの衝撃に、思わず返事を保留した悠紀は、しかし直後に深春が交通事故で死んだことで、自分の中の本音に気づかされる。
「深春、大好きだあっ」
 内蔵や脳漿をまき散らし生き絶えたはずの深春はしかし、まさかのゴーストになっていて……。

「僕は友達が少ない」の平坂読デビュー作ということであたってみたのだが、うーん、微妙な出来。
 深春と、自殺願望のある後輩・ひかりに囲まれた主人公のハーレム日常もの。ときどきほろり……と思いきや、そうでもない。どちらかというと愛憎劇が主だ。なんせ、「嘘つき」で「その場しのぎ」が得意な主人公が、どちらに対しても「好き」と答えてしまったから。これはハーレムというより修羅場ものなんだよね。
 そのくせ、ひかりに接する主人公の態度はひどすぎるにもほどがある。現実の恋愛に即して考えるなら「リアル」だともいえるのだろうけど、こんな打算的で不誠実な主人公、どこが好きになれるのだ? 比べても意味が無いのかもしれないけど、「僕は友達が少ない」の小鷹と比べてあまりにも差がある。
 ラストで起こる事件も微妙。敵の目的も、人頼みの解決方法も、すべてが気になってしょうがない。深春のその後が少し気になるので2巻は購入予定だけど、場合によってはそこで切ることも考えている。

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