はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

幸せのちから

2007-02-06 00:44:26 | 映画
「幸せのちから」監督:ガブリエレ・ムッチーノ

原題はThe pursuit of happyness。アメリカ独立宣言に基づく言葉。スペルの間違いは、作中に登場する託児所の落書きに由来している。正しく訳すなら「幸福の追求」となるが、堅苦しさを避けるためこのような邦題になった。しかし「幸福の追求」は作中重大な意味を持つ言葉として何度も登場してくる。「幸せのちから」ではだめなのだ。その根幹に関わる変更をあっさりとやってしまうところが非常に腹立たしい。

個人的鬱憤はともかくとして、面白い映画だった。単純なサクセスストーリーではなく親子の愛を描くことに重きを置くことにしたのは正解。
骨密度測定器のセールスに失敗したクリス(ウィル・スミス)は妻に捨てられ、息子クリストファー(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)と共に路頭に迷う。アパートを追い出され、モーテルからも締め出され、友人からは見捨てられ、泊まれるところといえばグライド(貧民救済の宿泊施設)のみ。そこがだめなら駅のトイレの個室。唯一の希望の光は株の仲買人の見習いになれたことだが、それだって20名の中から1名のみの選抜で、あげく半年間無給ときてる。
どこまでも落ちていく境遇に唖然としてしまう。しかもそのほとんどが自分の蒔いた種。まったくもって自業自得……なんだけど、なぜか同情してしまうのはクリスの行動指針が純粋だから。息子を愛し、共に幸せになる為にサンフランシスコをひた走る姿に父親を感じるから。
クリスが高級車から降り立った男に成功の秘訣を聞くシーンがある。街をゆく人々の笑顔に羨望を感じるシーンがある。すべての人間は平等で、等しく生命、自由、幸福を追求する権利を有するのだから、きっと俺だって幸福になれる。その願いには共感できる部分があった。幸せになってほしいと思わされた。だからこそというか、ラストの無音の雑踏の中での歓喜のガッツポーズはなかなかの名シーン。
その他に特筆すべきは息子クリストファーの可愛さだ。ウィル・スミスが実の息子を映画に登場させると聞いて、その親バカぶりに正直がっかりきていたのだが、これが意外や意外の掘り出し物だった。飛んだり跳ねたり泣いたり笑ったり愚図ったり、演技なのかそうでないのか分からないほどのナチュラルさ。そしてウィル・スミスにもたれかかった時に浮かべる安らぎの表情。委ねきった寝顔。こればかりは他の子役には真似できない。実の親子ならではのコンビに拍手。

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1 コメント

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めら感動 (まり)
2007-03-17 17:23:35
幸せの力のエンディング曲がめっちゃ知りたいです!!
だれか教えてください!!!!!!

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