はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

ブリック~消された暗号~

2009-08-11 17:29:34 | 映画
BRICK‐ブリック‐ [DVD]

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「ブリック~消された暗号~」監督:ライアン・ジョンソン

 舞台は南カリフォルニア郊外のハイスクール。人とつるむのが嫌いなブレンダン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は今日も1人。ある日、元彼女エミリー(エミリー・デ・レイヴィン)からひさしぶりの電話を受ける。電話越しのエミリーは切迫した声音で「ブリック」、「タグ」、「ピン」と謎の言葉を残して行方をくらました。
 エミリーの消息を追うブレンダンは、一癖も二癖もある登場人物の間をかいくぐりながらようやく再会を果たすのだが、程なくしてエミリーは何者かに殺害される。うら寂しい排水坑の前でうつぶせに倒れ伏すエミリーを眺めながら、ブレンダンは静かに復讐を誓うのだった……。

 高校生ハードボイルドということで、なんのひねりもない直球なストーリーが逆に売り。
 エミリーの死の謎を追って学園内の裏に蔓延る組織と徒手空拳でたった一人で戦うブレンダンがかっこいい。ちょっとヨン様似の風貌があれだけど、バイオレンスの匂いなど欠片も感じられない彼がエミリーの為に振るう拳には、重い意味が乗っかっている。
 問題があるとすれば、いわゆる「愛の記憶」語りがほとんどないところ。わずかな写真と会話とハグだけでは、命懸けの説得力が足りない。孤独な彼が愛した彼女との日々って、絶対重要なはずで、その一枚一枚のピースを集める儀式が欲しかった。ラストまで見れば、なるほどとうなずける部分はたしかにある。そりゃあ命懸けにもなるよね、無理もないと思えるのだが、途中まで見ただけだといまいちね……。「なんでもないことに命懸け」がハードボイルドだといわれりゃそれまでなのだけども。
 あとはまあ、ハードボイルドだけに、作品全体に虚無的な空気が濃い。いい話だとは思うけど人を選ぶ、かな。

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