はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

哀愁の町に霧が降るのだ(下)

2009-06-22 09:35:18 | 小説
哀愁の町に霧が降るのだ〈下巻〉 (新潮文庫)
椎名 誠
新潮社

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「哀愁の町に霧が降るのだ(下)」椎名誠

 昼でも陽がささないおんぼろアパート・克美荘で共同生活を営む若き日の椎名誠と愉快な仲間達のエッセイ・下巻。
 貧しいながらも精一杯に飲み、食らい、寝起きする彼らの生活にも、いよいよ終わりの日が近づいていた。木村が司法試験で、椎名は就職で、その他のメンバーも様々な理由でひとりまたひとりと去っていく。365日オールのどんちゃん騒ぎが静まっていく様は、まるで自分自身の青春時代が終焉を迎えるのを回顧して見るようで、えらく寂しい。
 後半、ある程度年月が経ってから、この本のネタだしのために集まった椎名、木村、沢野が当時を懐かしみながら酒を呑むシーンがあるんだけど、この時の酒がホントにうまそう。絶対女子供にゃわからない味。いい歳こいた親父にしかわからない味。つまることろこの本は、そういう人のための読み物なのだな。

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