ふっ と想うこと

山・雪・風・人、徒然なるままに--

2月に観た映画

2024-02-28 05:55:28 | 映画

静かな、素敵な映画。互いにちょっとした障害をもちながら、とても優しい周りの人達に囲まれて。そしてプラネタリウム、星空のファンタジーがそれを盛り上げて。
観終わって清々しさを感じた素敵な、心が温まる映画。

色々とあった東出昌大さんのドキュメンタリー。猟師となって生き物をから“生”を受けて自分達が”生きる“ということ。映画では捕えた鹿、猪を捌き、内臓を取り出す場面がたくさん出てきます。その世界で“生きること””死ぬこと“を。そしてなんと言っても、東出昌大さんという人の“人の良さ”。週刊誌の記者でさえ俳優と猟師の二つの顔を持った東出昌大さんに惹かれていく。多分、別れた奥さん、きつすぎたのかもしれません。この”will“とは、別れた子供への“遺書”の意味。2時間の映画ですがあっという間に。

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1月に観た映画

2024-01-28 18:12:04 | 映画
公開してから一月近く。
昨年、鹿児島の知覧へ行ったので是非観たいと思って。
とはいえ、単なるお涙頂戴では、と思っていましたが、色々と。
知覧では特攻隊の方達の遺書は、母親に向けたものが多く、その次が兄弟、愛する人達へ向けたもの。不思議なのは父親に向けたものがほとんど無いと。
この映画は、現代の女子高生が先の大戦末期の特攻隊基地へ。最初、現代の若者の素直な感覚で批判的に特攻隊員を。彼らと接しているうちに、彼らが後を託した次世代への思いを知る事に。そして彼らが託した後世の日本人として今の自分はどうなのか?と。
戦争を単に批判的に描くのではなく、日本という国をどうするのか?と考えていく、その事が描かれていきます。“平和”ということが一番大事な事、ただ、今の日本を取り巻く状況からは、今度は”日本を守る“事を考えざるをなくなる、そんな事を感じた映画。出ている若い俳優さんたちの初々しさ、それを支えるベテラン俳優。
若い観客が多く、映画前は大声で話していましたが、映画のあとには、シーんと。年寄の我が家が出るまで会話はほとんど聞こえなかったです。福山雅治さんの歌もまた、心に響きますね

人気アニメの実写。
ヤクザと中学生という”普通には“絶対に知り合うことの無い二人。ひょんなことから一方的にカラオケの指南を求めるヤクザ、戸惑う中学生。
中学生は新人、それを綾野剛さん他ベテラン達がもり立てる、現代の童話のような話。全く違う世界の二人が、心を通わせる、その過程も。合唱部のボーイソプラノの中学生が変声期で悩み“きれいな声が出ない”という悩みを唯一打ち明けたヤクザ。それに対して”世の中、綺麗なものばかりでは成り立たない“というヤクザの言葉。何か素敵な心の通わせも感じられます。中学校のアルアル学校生活。半世紀近く前を思い出される、甘い思い出も。
観終わってスッキリとした心地になるそんな、映画。
あまりアニメは読みませんが、数少ない読んだアニメの実写化。アニメの世界をどう映画にするのだろうか、と思っていたら、まさに、アニメの世界。アイヌのアニミズムの世界を近代が覆ってくるスケール大きな映画。音楽がどこかで聞いた感じと思ったらキングダムの作曲家でした。多分、シリーズ化されると。面白い映画
カラー版とは全く別の映画のように。モノクロの世界はよけいに迫力が。そして俳優さん達の顔の陰影がより映画の深みを増します。
子供の時、最初に出会ったゴジラ、そのもの。素敵な映画
どうしても観たかった映画。愛知県では豊橋の映画館だけなので豊橋へ。
知里幸恵さんの“アイヌ神謡集”、最初に触れたのが半世紀近く前のラジオドラマ”日曜名作座“の森繁久彌さんと加藤道子さんの朗読。
文字を持たずに言葉だけで伝える“口承文化”。それをもつ数少ない民族であるアイヌ。そのユーカラの美しさとともに、そのユーカラ自体が生活規範でもあり先祖から後世に伝える口承。金田一京助博士に見出され、19歳で亡くなった知里幸恵さん、才能ある彼女のお陰で口承が文字に、文学に。
しかしアイヌ民族自体が日本人による長年の迫害、なんと20世紀末までアイヌの同化政策のための”土人法“が存在していたこと!日本の歴史の暗部を多くの日本人は知りません。
昨年、行きたいと長年思っていた北海道の登別にある知里幸恵さんの“銀のしずく博物館”にも行きました。自然と一体となったアイヌの人達の生き方、我々現代人が失った人間本来の生き方、そのものと。
人は結局のところは自然の一部、その中で生きていること、それを忘れて大事な物を無くしてきています。それが”進化“と言うならば、本当にそれが正しい進化なのだろうか?







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12月に観た映画

2023-12-31 16:22:13 | 映画
3時間近くの映画。良い意味でも悪い意味でもまるで大河ドラマ。淡々と学校で学んだ世界史のナポレオンとジョセフィーヌ。全く彼らの心情はうかがいしるのことはできません。金をかけた大河ドラマ。それにしても名古屋の映画文化の低さ、年輩者は変わらず。20年以上前に、東京から名古屋に来たときに、映画でエンドロールが始まると皆さん立ち上がって出ていき、エンドロール終わった時には数人しかいない、そんな呆れたレベルの低さ。今回の映画も自分よりも歳上の人ばかり。やはり、エンドロール始まると帰り始める人が。それでも大半の人達は残っていたのは少し進歩したのかな?転勤族も多くなりましたから名古屋の悪い文化は良くなりつつありますね。

異質なものをどう受け入れるのか、という現代的な問題。移民を多数受け入れたフランス在住の作者らしい原作。そしてこの映画への評論は、移民、外国人への寛容性を求めたものとして高く評価。確かにその通りなのですが、今の欧州は、移民を受け入れすぎてしまって混乱、これからは移民そのものを締め出す方向へ。他を許容することの寛容性を求めたこの映画、しかしその先の現実を見ると必ずしも手放しで賛同できない、複雑な感想。それにしても上野樹里さんは随分素敵な女優さんになりましたね。
中島みゆきさんの“夜会”をまとめた映画。昨年、一昨年のコンサートの映画とは異なりチケットが取れなかった”歌を身体で表現“した夜会。中島みゆきさんの独特な世界観。ただ、歴代の夜会の切り取り継ぎ接ぎで、少し残念。でも中島みゆきさんの歌の力強さ、歌詞の美しさ、そして所作の素晴らしさを堪能しました。トヨタ系の金をかけた映画館、音響も素晴らしく初冬を楽しめました。
ヴィム・ヴェンダース監督らしい、光と影、モノクロを織り交ぜた心象風景。それを年齢を重ねた役所広司さんの顔の年輪のような皺。若い人には受け入れるのは大変かもしれませんが、年齢を重ねた人には心に刺さる映画。“ベルリン天使の詩”でヴィム・ヴェンダース監督の世界に触れて、惹かれるものを。劇中の音楽は、車のカセットテープのオールディーズだけ。静かな、年代を感じる素敵な映画






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11月に観た映画

2023-11-30 09:22:55 | 映画
この映画は最初は全く期待しないで観ました。そもそも、ゴジラはビキニ環礁の水爆実験から突然変異して生まれたというのが、昭和世代の思い。てすから水爆実験前に、しかも戦争末期に特攻隊のための島に現れた、そして戦後の日本の混乱期に銀座に現れるという目茶苦茶な時代考証?なのて全く期待せず。
しかし、いざ、観ると、この映画はゴジラという名前を冠していますが、ゴジラが主人公ではなく、敗戦後の混乱した日本、アメリカも冷戦のために手助けしてくれず、自衛隊もなく、武装解除された中で、日本人だけで、しかも戦争を生き抜いてきた人達の日本の復興に向かう映画。その意味で、高度経済成長に向かう前の、戦後復興の端緒となった、人間ドラマでした。そして胸が熱くなったりしたのはやはり昭和ノスタルジーかもしれません。
”生き残ったものが生きるために戦う“
この言葉の重さを感じた素適な映画でした。
手塚治虫さんの原作、STUDIO4℃の作画。独特の映像は最近のアニメ映像とは一線を画す、懐かしさを感じるもの。ストーリーとしては今の時代ではありきたりのものですが原作が作られた時代には壮大なものだったと。時の経過と昔の懐かしさを思う一方、その今の姿とのギャップ。今を生きる事の大切さ、それを感じさせる映画。昔の作品でも、今の時代にあてはまる、その先見の明を見据えた手塚治虫さんの素晴らしさを感じる映画
福井県の観光PRのような映画。新潟県の燕、三条のように元々基盤があったのではない福井県のメガネ。最初に冬の出稼ぎの代わりにメガネに取り組んた篤志家の強い思いからここまで発展したということに驚き。数年前にメガネの聖地と言われる鯖江に行ったことも思い出。メガネを使っているので親しみのある映画。
P.A.worksのお仕事アニメ。
今でこそ“ジャパニーズウィスキー”ともてはやされていますが、大学の就職活動をしていた40年近く前には全く状況は違っていました。当時は酒造メーカーにも人気はありましたが、それは某メーカーのペンギンをモチーフにした宣伝、或いは広報活動に惹かれて人気があったので”酒そのもの“に人気があったわけではなかったです。大学の近くにウィスキーの蒸留所があったこともあり、就職活動では就職先の候補としていてウィスキーメーカー(酒造メーカーではありません)を。日本の2か所の蒸留所で作っているメーカー、全く同じ素材を使いながら、水、空気の違いで全く異なるウィスキーができる、その不思議さに惹かれました。結局いくつかの内定は貰いながら、最後にはウィスキー会社と大手素材メーカーと迷いました。結局、当時は海外志向も強かったので素材メーカーに就職。素材メーカーに入社してからも、よくバーには通って世界のウイスキーを楽しんでいました。土屋守さんの名著“ウィスキー大全”を片手に、ウィスキーに詳しいマスターと話をして楽しんだものです。還暦過ぎて振り返ってみると、人生の大きな岐路のひとつはこの就職先です。もしもう一つの選択肢、ウィスキーメーカーを選んていたら、今知りあっている人達とは知り合いになっておらず、嫁さんとも出会えず、全く違ったものだったと。
そんな事を思いながら、家族経営の蒸留所の話の映画を観ていて、色々と考える事も。すぐに利益が出るのではなく、数年先、或いは数十年先に結果が出る製品、一度トラブルが起きると、このような家族経営の小さな蒸留所は窮地に落ち込む事も。
ただ、やはり現代的な、SNS、クラウドファンディング等は時代の流れを感じさせます。そんな素敵な映画
愛知県春日井市の市制80周年記念事業で制作された映画。実話に基づいたもので春日井市にある大学生の日本に金を稼ぎに来ているフィリピンの調査を研究テーマに。調査しているうちに、普通にイメージしていたものとは異なり、フィリピンの女性達の逞しさ、明るさに惹かれていき、ついに結婚。
とりあえず愛知県での先行上映
この日は原作者の御本人、監督、出演者の挨拶。


終了後には、原作者、監督、出演者のサイン会。
嫁さんの実家すく近くの春日井ニュータウンの話、中部大学の話を色々と。ロケ地も仕事でよく行った場所だったり、名古屋市の異国エリアである池田公園とか、馴染のある場所も。とても明るい、素敵な映画。
原作者のフィリピン人の奥様は、三人目の子供を身籠っていて今回は欠席、その他の女の子たちは夕方からの仕事なので欠席、とユーモア交えた挨拶でした。
ここまで破天荒となると関係者も怒るを通り越して笑ってしまう、そんな快作。前作のハチャメチャを更にスケールアップ。でも、ここで描かれている事はほぼ“その通り”と納得してしまう、そんな関西人の心情を。昔、仕事でよく神戸の工場へ行き、夜、飲みに行ったときに、東京生まれの自分として”関西は“と一言いった途端に“神戸と大阪を一緒にするな!”と酔っぱらいながら絡まれたのを懐かしく。俳優さん達の、なんという無駄遣い!そしてクソ真面目に!
となると、次はどことどこかな、と思ってしまう、娯楽作品。















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10月に観た映画

2023-10-30 17:47:46 | 映画
数年前に観た”空母いぶき“が原作とは全く異なる駄作。元々は尖閣諸島と思われる島嶼を攻め込んできた中国軍の話が、どこかのわけの分からない軍事独裁国が日本を攻める、そして国連を中心とした国際社会の連合軍が架空の独裁国を攻めると。そして何と、自衛隊、米軍と並んで中国軍の潜水艦まで並んで共通の敵に対抗。なんという茶番劇!
今回もそう思って観てみましたが、全く別、そして考えさせられる映画。核兵器を持った国が核兵器を使って持たない国を脅す、しかも、それが国連の加盟国、常任理事国の当事国。そして未だに“平和を愛する諸国民の”という日本国憲法にとらわれて何もできない日本。その状況を日本につきつけた映画。
半世紀近く前に憲法を専攻していました。当時はまだ、国際社会、国連中心主義が機能していました。そのために日本の憲法は問題あってもとりあえずは理想を掲げたものと。しかし、現代は全く状況は変わっています。なのに日本は何一つ、国際社会の変化に対応できず、完全に化石化しています。
核兵器を持っていて他国を脅しても、では、使うか?というと使えない。その矛盾を割れわ)につきつけた映画。
30年近く前の映画。ティム・ロビンスのどんなになっても希望を失わない、その生き方、そして生きることの価値そのものを失いかけたモーガン・フリーマン。実話に基づいているようですが、そのエンディングには救われた、素晴らしい映画。ティム・ロビンスも良いですが、やはり、モーガン・フリーマンが素敵。

ジャズ・ミュージシャンでもある南博さんの随筆のをモチーフにして大きくアレンジした映画。現実と空想の世界を入り交えて、ジャズの世界を。ジャズ、barの独特な世界。はるか昔、若かりしときにこの世界に興味を持っていたのでその独特な世界は、惹かれてしまいます。池松壮亮さんのポーカーフェイスは独特な雰囲気。
不思議な映画。

映画の無料券で。
自分以外の、たとえ伴侶であっても相手の本当のことを理解できるか、本当のことを知っているか?と問いかける映画。そして他人の本当と嘘、どこまで許されるのか、それを知ることの意味を。
真木よう子さん、井浦新さんの静かな映画。

ビートたけしさんの2017年の恋愛小説。コメディアンの又吉直樹さんが直木賞をとったので自分も直木賞とりたい、と書いた恋愛小説。元々は故竹内結子さんをヒロインにすることを前提にして書いた本だそうです。竹内結子さんが亡くなって波留さんが代わりに。
スマホの無い女性との偶然の出会い。昭和の時代、スマホの無い時代が思い出される映画。すぐに相手に気持ちを伝えられない、思いは強くなる、そんな懐かしい思い出。二宮和也さんの相手への思い、波留さんの透明な気持ち、そしてそれを囲む人達。
40年近く前の大学時代、まだ、当時は東北新幹線もスマホも無かったので今の時代とは異なる光景を。
日曜日の夜の最終の特急電車、恋人同士の別れの光景をよく見ました。スマホが無い、ということは顔を見ることも、気軽に話す、メールで連絡を取るということができない、そんなしばらく会えない事の思いが、いつも恋人同士の感極まった様子は毎回見ることができました。そんな事を思い出された映画。
素敵な、昭和が思い出される素敵な映画

名古屋テレビ(メーテレ)60周年で作られた秦建日子さん原作のご当地映画。名古屋と岐阜のご当地を。この”女子大小路“の名は、昔この地にあった中京女子短大(女子レスリングで有名な現至学館大学)があったことに由来するもの。剛力彩芽さん他のベテランを除いて演技力は笑ってしまうレベル。内容は、あまり深く考えずにテレビの延長のような映画。








個人的に今年観た映画の中でも1、2を争う凄い映画。
神奈川県津久井のやまゆり園での精神障害者大量殺人をモチーフに。
心の無い、意思の通じない障害者を”社会的に生命を維持させる事“それが日本のためになるのかという綺麗事では済まされない問題。これは精神障害者に限らず、これから団塊の世代が大量に発生する高齢者問題にも当てはまります。“プラン75”という衝撃的な映画もありましたが、まさに、これからの日本人に突きつけられた最大の課題のひとつ。
ショックとともに、真実を突きつけられる問題作。

朝からとんでもない映画を観てしまった、そんな映画。日本の伝統的な”性“の明治時代以降の西洋的“性”の考え方からの、思考の、変化を、大真面目に。それがだんだんと、お天道様が出ているときには、恥ずかしく、というかこの考え方が西洋的な考え方なのかもしれませんが。
東京から夕方に戻ってきたので名古屋インター近くの映画館へ。
真保裕一さん原作の映画。
深く考えない映画。真保裕一さんの作品にしては、ひねりのない、物語。楽に観ることのできた映画
子供の頃“デパート”に行く、ということは楽しみでした。ただ物を買う、ということよりも、そこでのお店の人達の醸し出す雰囲気、そのデパート独特のものがありました。単に物を売るだけではない、ある意味でのその当時の文化を提供していた、それがデパート。
その雰囲気を醸し出す、素晴らしい映画。そして最後には思わず、グッとくるものが。
そういえば、93歳になる母親も70年近く前にはデパート勤め。こんな事していたのだなぁ、と。
本当はクリスマス近くに観ると素敵だなと思う映画
でも、いつから”デパート“が“夢を売る”ことをやめてしまったのだろうか?








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