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ワンマン漫画

2018-02-13 00:26:53 | 秋田のいろいろ
JR東日本のワンマン運転の普通列車のうち、電車を使った列車では、無人駅では1両目の後ろのドアから乗って整理券を取り、車内で運賃を支払って前のドアから降りるのが一般的。【14日補足】ワンマン列車の存在自体は知っていても、その駅が無人駅かどうか(時間帯によって違う駅もある)によって対応が違うわけで、戸惑う人も多いのは無理もない。
※気動車(ディーゼルカー)や他の鉄道会社では、乗降ともいちばん前のドアであるなど、違うこともある。

秋田車両センター所属で奥羽本線・羽越本線などで運用される701系電車の車内。
ドアの上に注目
文字情報装置などはないし、広告を出す企業もあまりいないこともあるのだろうけど、ドアの上には路線図やワンマン運転時の乗降方法の説明が掲出されている。(一部空白だったり、企画きっぷの広告だったりすることも)
上の写真とは別の車両。天井にかけて秋田支社管内の巨大な路線図英語版
現在の701系の基本の説明書きは「ワンマンカー乗り方&降り方」というタイトルで、小さく秋田支社の名も記載されたもの。ワンマン運転をしない3両編成にも設置されているようだ。
上の写真では、色あせていて、長期間掲出されているのがうかがえる。
 
現在の掲示は、イラストが使われている。
20年以上前、701系が導入された時の掲示はほぼ同じ構成ながらこれとは別で、乗降方法の説明が(おそらく実車で撮影した)写真だった。後にその写真を元にイラストを作画して、差し替えたのだと思われる。
ただ、降りる時の車内の絵が、よく分からないアングルで、運転士がこっそりのぞいているような絵。実際には、運転席を離れて運賃箱の前まで出てきて応対してくれる。
したがって、描かれるドアボタンや運賃箱は更新前のもの。
しかも、乗る時の車外の絵には「ワンマン出入口」という表示がある。前述のように電車では乗降でドアが分離されているから、出入口がいっしょの表示は間違い。また、701系では、LEDで大きく「出口」「入口」と表示する装置が昔から設置されており、実際と異なる。
もしかしたら、ごく初期には、そのLEDがなく、前乗り前降り方式が検討されていて、そのまま撮影(さらに後にそのままイラスト化)してしまったのかもしれない。
【2021年8月31日追記・2021年春~夏頃に、新しいものに差し替えられた。基本的には以前と同じだが、2021年春から実施された、秋田~追分間でワンマンでも全駅・全ドア開放する旨が書き加えられている。】

1年前に導入された男鹿線のEV-E801系電車では、
701系と同じ掲示。絵の出入口表示や車体外観も701系と変わらず。女性の服は黄緑色
EV-E801系のほうが、枠(=紙のサイズ)が若干小さい感じもするが、原画のデータは保存しており、新たに印刷できるようだ。【8月1日補足】701系でも、新たに印刷された色あせがない同じ内容の紙もあった。

【2018年8月25日追記】2018年夏に秋田県立博物館で「特別展 あきた大鉄道展」が開催された(博物館とJR東日本秋田支社主催)。
その展示の1つに、701系導入時のワンマン運転についてのポスターがあった。「新型ワンマンカー電車の JR社員がいない駅での 乗り方&降り方」というタイトルで、かつて車内ドア上に貼ってあった説明書きと配置は異なるが、同時に作成されたものと考えていいだろう。
乗降方法説明は、イラストの元になったであろう例の写真。
女性の服はカラシ色。イラストと比べると若干引いた(広角な)アングルで下は膝上丈のスカートであることが分かり、髪が少し長くて肩にかかる程度、肩に下げたカバンはやや小さい。
乗車時のドアには、やはり現在LEDがある位置が銀色の板を差しこんだような構造で、イラストと同じく赤文字で上に「ワンマン」、下に青文字「出入口」と書かれている。
運転士がすき間から覗いているようなイラスト部分は、運転士が着席したまま振り返って応対している写真(実際には席から立って応対する)。撮影用に分かりやすくするためか、運賃箱を通常よりも客席側に開いた状態にしている。この遠近感をイラスト化するのが難しかったのだろう。
とりあえず、初期の写真が保存されていることが分かって何より。

ちなみにこのタイトルが「~JR社員がいない駅での~」となっている。
現在はJR社員がいない駅でも、簡易委託駅を含めた委託駅では、有人駅と同じ扱いになっている【9月3日補足・ただし、簡易委託の碇ケ関は、ある時期から無人駅扱いに戻るなど例外もあり、一律でもない】ので、現時点では適切でない表現。しかし、当初は、ほんとうにJR社員がいる駅(子会社委託駅は含む)しか有人駅として扱わず、委託駅も無人駅と同じ扱いだった。1995年頃では、例えば大久保や大鰐温泉も、前のドアからしか降りられなかった。それが、乗降に手間取る、乗車前にきっぷを購入済みの客が多いといった理由で、後に変更されたのだろう。
ポスターの中にはほかに「奥羽線・羽越線の通勤スタイル 新型ワンマンカー電車」「シティ感覚で始まる一日」といったフレーズもあり、時代を感じさせる。(以上追記)


ところで、冒頭の写真では、ドア上の掲示が違うのにお気づきだろうか。N104編成で撮影したもの。
同じ車両の別のドアで拡大
「駅員のいない駅でのワンマンカー 乗り降りのごあんない」という別デザインのもの。
ドアの隅に「ゆびにご注意ください」というシールが貼ってあるのも特徴的。

秋田の701系(田沢湖線用を除く)は、2両編成24本【13日訂正】28本(運用離脱による組み換え分1本も含む)、3両編成14本。うち、2両編成の4本(N102~105編成)【13日訂正】3本(N102~104編成)は、秋田に新製配置後、後にいったん仙台へ転属し、さらに後に再び秋田へ戻って使われている経歴を持つ。【13日補足】続番のN105・106編成は、秋田と仙台をさらに行ったり来たりあるいは仙台へ行ったきりで、現在は仙台で使われている。
説明書きが違うのは、その仙台にいた経歴を持つ編成で、仙台時代に設置された掲示がそのまま残って使われているため。だから、描かれている車両の帯色は仙台の赤・白・緑。
仙台の説明書きには「仙台支社」の名はないし、内容は秋田と変わらず間違ってもいない(帯色は別として)から、そのままにしているのだろう。
【13日補足】仙台へ転属したのは、1999年の山形新幹線新庄延伸に伴う運用区間縮小によるもの。秋田へ戻ったのは、N102編成が2008年の花輪線直通気動車快速(元急行よねしろ)の電車化に伴う補充、N103・104編成が2010年の東北新幹線新青森延伸時の輸送力増強対応。仙台から秋田へは2度に分けて戻っているので、3編成すべてにこの説明が掲出されているわけではないかもしれない。

仙台版は、イラストというよりマンガ。特に右側。
これも運転席の配置がヘン
先入観か1990年代後半チックな趣きの女子学生2人が、「あれっ! ワンマンカーはどこから乗るの?」「ほらほら整理券取るの忘れてるってば!」「そうそうバスと同じよね!」など、3コマで乗降方法を説明してくれる。


701系はエリアごとに集中的に導入され、大規模な転属や改造はされていないこともあって、例えばキハ40系などと比べると個体間の差異は小さい。でも、よく見ると、このような違いがある。いずれまた。

※2018年時点の仙台支社と盛岡支社のワンマン説明の比較はこちら

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