園内の枯草のかなりの部分がきれいに取り除かれていてそろそろ次年度へ向けての整備も感じられる状態でしたが、ヤマシャクヤクの結実した株がぽつんと残されていました。とても人気がある山野草で自生の個体はほとんど見られなくなってしまい、管理されたところで観察する以外に手段はありません。できるだけ野生の状態を維持して展示してほしいものですが、園の都合もあるのでしょうヤマシャクヤクよりも見る人の方に配慮して植栽されています。
種子の黒と種子を包んでいた果皮の赤が独特なコントラストで強烈な印象を与えます。鳥などの種子を運ぶ相手に強くアピールしているのでしょうか?不安定な構造でありながら赤い色彩が失せるまで果皮が割れてよじれても種子が落下しないようにできているらしく、このあたりの工夫が面白い・・・。そういえば、この赤と黒の配色はツクバネソウにもあって、種子の黒とそれを乗せている花床の赤が思いだされます。全く系統の異なる種ですが、種子の散布を行いたい場面で同じような形質が見られるのも興味深いことです。