森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

コンロンソウ

2016年05月31日 | 自然観察日記
最初に迎えてくれたのはコンロンソウでした。下草の少ない林道わきに点々と白い花をつけています。新潟で見られるのはヒロハコンロンソウというものでこの種の変種とされるものです。葉が茎を抱かないもので葉が細い種。湿り気のある沢沿いに見られます。ヒロハコンロンソウは群れて咲く様はしばしば見られますが、物語山の山麓の林床は岩山から崩れ落ちてきた礫が主ですから土壌は肥えいないせいもあるのでしょうがどの種もまばらに生えているという生態です。もちろん周囲の高木が光を遮り林床まで十分な光が来ないような環境になっていることも関係があります。

登山口付近の渓相

2016年05月30日 | 自然観察日記
小さな渓谷に沿って切り開かれた林道が登山道になっています。実は里山の雑木林をイメージして入山したのですが周囲はすべて杉の植林帯でわずかに植林できない場所に潜在の雑木があるという感じで出だしはあまり足取りは軽くありません。しかし渓相は岩山に相応しく変化に富んで水もきれいです。

カツラの巨木

2016年05月30日 | 自然観察日記
川沿いに伐採されなかったカツラの大木が開発される以前の様子を伝えています。径は1ⅿに満たないと思いますがそれでも堂々とした樹姿です。かつてはこんな樹が沢山あったのだろうと想像しながら周辺に植林され50~60年くらいたったかと思われるスギ林を見渡しました。よくもこんな傾斜地に植林をしたものと関心はします。

カツラの葉

2016年05月30日 | 自然観察日記
歩き始めて、険しい地形であり周囲の植林された杉が成長していてかなり暗い道であることに一抹の不安はありました。とにかく新潟の森の様子と異なり林床の植生が一見して貧弱です。しかし、貧弱で1種当たりの個体数は少ないのですが出現する種がことごとく「新しい」ものでなかなか先に進めない状況がつつきます。

対岸にもう一本のカツラ

2016年05月30日 | 自然観察日記
少し行くともう一本のカツラの大木が出てきます。綺麗な渓流にカツラの大木、そこだけなら素晴らしい自然を想像するのですが・・・。明日から私が見つけたもともとの自然の片鱗を取り上げていきます。

物語山散策記

2016年05月29日 | 自然観察日記
最近他県の低山帯の植物に関心を持っていて簡単に行ける場所をネットなどで探しています。新潟県内の植物をくまなく知ろうという試みは中途半端ではあるものの県内の植物を理解するには、近県や他県の様子を観察するとより深くわかるような気がしているのです。当たり前で意識しなかったことが実はかなりすごいことであることが分かったりします。もっと若ければと思うことがしばしばありますが、まだまだという思いで動き回っています。
偶然知ったのですが、アカヤシオが見られる比較的低山で何とか日帰りできそうな山が物語山でした。群馬県の下仁田市の郊外にある1000mほどの山です。軽登山の山らしく地元で山歩き情報などに載っていました。アカヤシオが見られるならとタイミングを考えてGWが始まった3日目に出かけてみました。往復約500km、所要時間11時間。しかし、得られたものはその労力をはるかに超えて大変興奮し満足するするものでした。しばらくはその報告を兼ねて私が感じたいくつかをお話していくつもりです。

ミツバツツジが咲く物語山

2016年05月29日 | 自然観察日記
物語山は下仁田から南牧村へ向かう途中にある岩山でした。そういえば、このあたりはジオサイトとしても有名な場所ですから穏やかな山腹を持つ山であるはずはないのですが、そういうことは出かけてみて初めて認識した次第です。名前もロマンチックでアカヤシオで地元では有名とありましたから、かなり油断しての散策になっていました。とんでもない急傾斜の山でしたが何とか山頂に到達できましたが、残念ながらアカヤシオの季節はほぼ終わっていてミツバツツジがとって代わっています。晴れていればもう少し違った感想も言えたのかもしれませんが当日は霧に包まれた白い世界で、白い背景に赤紫色のミツバツツジが映し出されているという景観。先日、清津峡で見たミツバツツジとはまた一味違ったものでした。

物語山の稜線の植生

2016年05月29日 | 自然観察日記
岩山ですから植生は貧弱です。高木は条件の良いところに点々とあるだけで低木林になっています。ツツジ類が多くリョウブなどの雑木も多くなっています。アカマツは見通しが悪いのではっきりとはしませんが一本確認したにすぎません。

エチゴキジムシロ

2016年05月28日 | 自然観察日記
清津峡に至る谷筋から渓谷の崖に至るまでエチゴキジムシロが目立ちました。写真が少々ハレーションを起こして本来の色が飛んでしまって恐縮ですが、このような株が至る所で見られました。この谷筋はキジムシロの密度がかなり高いようです。

角間のねじり杉

2016年05月28日 | 自然観察日記
清津峡の手前、角間という場所がありそこに県の天然記念物に指定されているねじり杉があるということで立ち寄ってみました。径が1ⅿくらい、樹高およそ20ⅿ強でしょうか堂々とした巨樹がありました。表記のようにたしかに樹皮は左巻きにねじれています。樹齢は100年から120年ほどでしょうか?周囲にこの子孫なのか径20cmくらいの小杉もありました。スギのねじれはときどき見ます。しかし、ここまで大きなものはこれが初めてで、林業的には成長の過程で商品価値がないと判断されると伐採されることが多いとおもわれますから残されることは少ないと思います。